国民民主党の玉木代表の政策コミュニケーションは、マーケティングのお手本だと思う。
マーケティング・ブランディングにおいて、必要な要素として、1)シンプルかつ、明確なメッセージと、2)誰に向けて(絞って)言うか、3)それをどれだけ露出できるか、の3点である。
玉木代表の「手取りを増やす」政策は、上記が戦術レベルでも明確になっており、かつ、コンテンツとしても、多くの人にわかりやすく、政策論争できるテーマに焦点を当てており、素晴らしいマーケティングキャンペーンではないかと思う。
1)明確なメッセージ ― 「手取りを増やし、インフレに勝つ。」
2)ターゲティング ― 20-30代若者
3)何度も言う(露出)ー Influencerを巻き込んだ露出
かつ、戦術は、デジタルどぶ板。X、Youtube駆使し、コラボをしまくることでOwned mediaを強化。僕は、マーケティングの現場をやっている人間として、(3)を徹底的にやっていることが素晴らしい。自戒を込めて、多くの企業・ブランドは、これができていないので。これが大事とわかっていながら、普通はエグゼキューションしきれないのが実情。
なお、手取りを増やす施策(コンテンツ)についても、一応解説しておくと、以下の通り。
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a) 国民民主党の政策は、基本的に減税。主な議論は、年収103万円の壁を壊すこと。
b) 現行103万円である給与収入の基礎的な控除額について、178万円へ引き上げることを最重点課題に。
*ベーシックな控除は、給与所得控除55万円、基礎控除48万円なので、給与収入が103万円までなら課税対象となる給与所得はゼロとなり、所得税は課税されない。103万円を超えると、その超過分に最低5%の税率で所得税が課税される。
*例えば、年収103万円より少し多い104万円の場合、控除額103万円を差し引いた給与所得1万円部分に5%の所得税が課されるため、年間の所得税額は500円程度。(意外と低っ!←個人の感想です)
c) 国民民主党は、この基礎控除等を178万円にすれば、労働力が増えることに加え、手取りが増えて消費が活性化されると主張。
*給与収入を103万円までに抑えようとしてきたパート、アルバイトの方が労働時間を伸ばすはず。
*この178万円の根拠は、1995年からの最低賃金の引き上げ率が1.73倍であり、「103万円×1.73」で求めたと説明。(ベンチマークが物価上昇率ではなく、賃上げ率という点に疑問符があるという専門家もあり)
d) c)の通り、所得税控除による「手取り効果」は大きくないので、むしろ社会保険料のほうが労働供給の妨げになっていると、一部の専門家は主張。(確かにっ!←個人の感想)
e) 被扶養者の年収ベースで約106万円を超える(学生でない、事業所が51人以上などの条件を満たす場合)と、被扶養者は扶養者の社会保険を抜け、公的健康保険、公的年金保険に自ら加入して保険料を負担する必要が生じる。その額は、健康保険、年金保険合計で月額1万3千円程度であり、税負担に比べてかなり大きい。
※さらに、月額の給与収入が10万8千円(年間給与収入約130万円)以上の場合、事業所の規模に関わらず、全ての人が公的健康保険、公的年金へ加入、社会保険料を負担することになります。(学生も対象)
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確かに、20年くらい前、自分が学生でバイトをしていた頃、103万、130万円にするように親に言われていたことを思い出した。103万超えは結構どうでもよくて、130万超えるとヤバいよ、という雰囲気だった記憶がある。一方、178万円だと、月に15万近く稼げるので、気持ち的にも結構大きいと思う。
まさに今、いろいろ、頭の良い大人が反論している様子もありますが、総論、若い人の消費にお金が回るのはよいことだと思う。
あとは、これは蛇足だけど、昨日のスキャンダル(不倫)が与える影響は引き続き注意が必要かと。明瞭な謝罪コミュニケーションで、支持層には負の影響は小さいようだが、今回の副次的なターゲットでもある主婦層に対しては厳しいのかもと思う。マスメディアはそこを責めるだろうし。。。
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