月蝕の誘導瞑想から
7月5日の日曜の午後の一番目からのセッションは、後半に誘導瞑想をしました。ちょうど月蝕のタイミングでの誘導で、そのままそのエネルギーの世界へと旅をしていただきました。
私は、誘導瞑想の際の誘導ではスクリプトの用意をしません。誘導文の用意をこれまでの約15年間の中でしたことがありません。多くの場合には用意するのが普通だと思います。特に最初の段階では教わった先生が用意してくれた誘導文を使ったり、そこから自分で誘導文を考えたりしていくことも始まります。
とある時、私のヒプノ(催眠療法)の師匠でもあり友人でもあった人は、彼は言いました。
「○○には教えないよ。」
○○には当時私がその人から呼ばれていた愛称が入りますが、今回の記事ではあえて○○にさせていただきます。
私の顔を見て目をみて軽く頷いたのを覚えています。
「教えないけど、ここにいたらいい。」
それが始まりでした。
そもそも私がヒプノを教えて欲しいと言って、お弟子さんからの紹介でご縁が繋がったのですが、初めて会って顔を見たそれだけで、その人はその時には「わかった。ヒプノを教えよう」と言ったのです。
当時その人は教えることを、もう長い間やめていました。
実際にそれから告知などをして、希望者を募り、講座の準備は進んでいきました。私はその準備の中、いつの間にかそこに居て当たり前になっていきました。自然と居場所がそこにありました。
渡された著書や音源を預かって読んだり聴いたりしていました。たくさんの話し相手になってくれということで、私のこれまでの人生の出来事を話したり、お茶を入れてくださってはそれを頂くという日々が続きました。
その人の哲学る謎のなぞなぞみたいな終わらない話をたくさん聞きました。問いかけに答えました。お茶が何杯も出てきます。
この流れだと本当に教えてもらえる日がやってくるぞと、嬉しく期待している自分がいたのです。
とある日の講座の当日、特別に用意された場所に選ばれて集まった10人程での講座が始まりました。講座が再開されるのを知った人は、奇跡だと言われていました。後に参加したいという声がたくさん上がり、講座は増えていくことになります。その人は、奇跡の声の持ち主だとも言われていました。
その最初の講座で、私は参加者としてそこに居たのですが、最初のお話とひとつの誘導と感想を全員が話すというひとつの流れが終わって、さぁ次の瞑想は? とか最初は何から学ぶことが始まるの? という段階になった時に、その人は急に立ち上がってスタスタと長い手足が揺れるように歩き会場の出口に向いながら、軽やかに言ったのです。
「○○。あとはよろしくー。」
そう言って出て行ったその人は二度と戻っては来ませんでした。本当の話です。
教わってもいなかった私がその後の講座をすることになったのですが、ここはと腹をくくって何事も無かったように、瞑想の誘導と簡単な流れの説明をしたことを今でも覚えています。
その日から私は「先生」と呼ばれるようになりました。
本当のことです。
その人は、その日の講座が終了し解散となった後に、私に言いました。
「○○には教えないよ。」
「○○に教えることなんて無いよー。」
「一回聴けばそれでいいだろう?」
「個人セッションも自分の代わりに○○がやってくれー。」
私は頭を抱えました。しかし現実は止まりませんでした。動き始めたのです。教えてなどくれないわけですから、その人の側で呼吸のひとつひとつから勝手に学び取ろうと、一緒にいる時間から学ぼうと全感覚を使って過ごしました。
確かに、講座参加費をお支払いしようとした際に、要らないと言われていたのです。なぜだろう?って困ったなと思っていたのですが、そういう流れがあったのです。
その人はスクリプト、あらかじめ準備された文章を全く使わない人でした。その場に放り出された後、瞬間瞬間に生みだしていく人でした。その時に集まった人たちの気配や目に見えていないところでの動きを自然に読み取って、流れを起こしていきます。決して自分を押し出さないやり方でした。
その人が昔「未来順行10年後」というテーマで講座を行った時、その参加者の方々が見たビジョンがことごとく現実化していて、何かの道の専門家にほとんどの人がなっていたという話がありました。後々までその話を聞きましたが、瞑想で旅に誘導していくその人なりのやり方があったのです。それは社会的なところとは、ほとんど関わらず山の中でひとり生活していたり放浪することが当たり前の人だからこそのやり方でした。有名大学出身でアーティストが多くいる家系のお生まれですが、その人は変わり者で有名でした。素晴らしい奥様とご家族にも恵まれていましたが、縛られない日常を好んでいました。とある方々からは神様と呼ばれる腕を持つ存在とされていましたが、誘導や誘導瞑想を起こし続けている人でした。
月蝕の今日。私がとある方を誘導しながらいると、もうしばらく思い出すことも無かったその人が突然現れたのです。少し離れたところから黙ってこちらを見ていました。
私は誘導を続けます。
スイッチが入たみたいに、現れた人のことも気にならず、私は自然と新しい誘導へと向っていました。
毎回違うとは言え、明らかにいつもとはまた違った質感の誘導となったのですが、それは体験していた方にも伝わっていたようでした。
それは隣の部屋にいた助手にも伝わっていたようで、終了後すぐに「今日のはなんですか!」という話になりました。
それは、ここ最近続けている歩き方から、だよ、と私。
様々なお話はまた。
写真と文 sanae mizuno
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