【プリズンライターズ】受刑者のお肌ツルツル&お腹グルグル事件
この2月から刑務所でも化粧水と乳液が買えるようになった。あと、バスタオルも。
人生の半分を刑務所で過ごしている身としては、なにそれ?なので、部屋に戻ってすぐに広辞苑オープンした。
ウエイト代わりの広辞苑片手に、ふむふむなるほど、とやってたらサユリさんからのバレンタインカードとサユリレターが届いて、そこには今まさに調べていた化粧水のことが書いてあった。
あまりのタイムリーさに「神に祈りをっ!」と、どこかの本好きみたいな祈りを捧げそうになった。
浄土宗信徒なので祈る先は阿弥陀さまだけど。南無阿弥陀仏…。
バレンタインカードが可愛くて、ほっこりでした。サユリさん、感謝です。
この変化が千刑だけのことかと思ってたら、刑務所全体でのことだったのね。
求めている変化ではなかったけど、一歩前進と思えば悪くはないのかな。
化粧水のメーカーは忘れたけど240mlで990円。乳液は160mlでこちらも990円。購入は月にどちらか1本のみ。
毎月どちらかを買っていれば、年に11880円。金かかるなぁ。でも、やるか。目指せ韓流肌。
お肌がツルツルになる前に、懐がスカスカになりそうだけど。
バスタオルにしても、20年近くをタオル1枚で洗って拭いてとやってきた身としては、持て余しそうでならない。
洗濯はどうするんだろう。タオルは入浴の時に体を洗うのと一緒に洗っちゃう感じだったけど、さすがにバスタオルでそれは出来ない。
衣類と同じように洗濯してくれるのかな。どうするんだろ。
そんなこんなを他の人たちと話してた翌日、朝から工場のみんながおなかが痛いと言ってトイレに行ってた。
(作業中でもトイレに行かせてくれる千刑の担当さんは、他の刑務所に比べて優しいのかな。その感覚自体がすでに毒されてるのかもしれないけど。)
みんながおなかが痛いと言っている中、1人なんともない自分。
なんとなく波に乗りはぐれたような気になってソワソワしてたら、作業が早く終わることになって入浴もなしになり、部屋にゴーバック。
そして、その日の夕食から非常食。
ミドリ安全さんの「そのままご飯ケチャップライス」美味い。
同「カレーライス」はもう少し香辛料がきいててもいいと思うけど、誰でも食べられるようにしてるのかな。
尾西食品さんのライスクッキーも美味い。でも、非常食研究所、おめーはダメだ。
名前からして天下り臭プンプンだし、ご飯のレトルトパックがコの字型に3ヵ所切って開けるのだけど、切り口がまっすぐに切れなくてキレイに開いたためしがない。そしてなにより美味くない。いや、はっきり言おう、マズイッ。
ハッシュドビーフに入ってる肉片、あれ何よ。ゴム食べてるみたいで嚙み切れないわ。
ユニバーサルデザインを標榜して誰でも食べられるってうたっているけど、全方面を狙った結果誰にも好まれないものになってるよ。
成人男性が嚙み切れない肉片のなにがユニバーサルだ。
ミドリ安全さんを見習え。切り口にミシン目が入っててまっすぐに切れるし、器がいらないようにパックが自立する作りになってる。
しかも食べ進むのに合わせてもう一段切り口があるというこの配慮。すばらしいね。惚れぼれする気配りだわ。俺も見習わなきゃ。
なるべくポジティブでいて悪い感情を表に出さないようにしてたのに、思わず荒ぶっちゃうわ。
そういう意味では精神修行になっていいけど、非常時に使う非常食でさらなる心的負荷をかけてくるって、どんだけSなのさ。
荒ぶる季節の野郎どもには合わんね。
今回の千刑の対応は早かった。果断でいいと思う。命令を受ける側としてはどうしても情報不足でばたつくけど、そもそもの決断を下す所長にしてからが全ての情報を把握してるわけでもないだろうから、いたしかたない。
クラウゼヴィッツも「情報の4分の3は霧の中」って言ってるし。
食中毒と考えて所内での調理を止めて非常食にし、感染症を危ぶって作業や入浴などの受刑者同士の接触を減らす。
コロナの経験が生きた判断だ。
現場で大変そうにしてる担当さんらを見てれば文句を言う気にもならん。
非常食研究所、おめーはダメだ。プンプンだわ。
2月13日(火)化粧水等の告知を受ける。サユリレター届く。
15日(木)腹痛者多数。昼過ぎに作業終了。夕食、非常食。
16日(金)教育の日のため、もとから作業なし。3食とも非常食。
17日(土)・18日(日)ともに1日3食非常食。
19日(月)朝、非常食。作業には出れ……。
そうだな。
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