【プリズンライターズ】少年無期受刑者/新しい年に
皆様、新年明けまして御目出度う御座います。獄に在りても、新しい年を迎えられることは嬉しく、そして有り難いものです。感謝。
さて、昨今の物価高の波は刑務所をも飲み込み、私が収容されている徳島も言わずもがなであります。
運動会の弁当や、予備日のカップ麺も出ず、正月も芳しくない。皆がBoo Boo言うのも分かります。
食事の量もしれっと減らされ、私も痩せました。カロリーが足りないのか…?
休日の昼は毎回フルーツ缶があったが、これが出なくなり、主菜とは別の副菜が常々3品だった所、今は2品となった。
そもそも摂取熱量が定められており、それで3品だったことを考えれば、2品にすれば当然熱量も減る。
痩せるのは自明の理。そしてこれも刑務所あるあるで、フェードアウトして消えた物や事は二度と復活しません。
刑務所の十八番、私もよく拝ませて頂いております(悲)消えた食べ物は数知れず…
しかし、とは言うものの徳島は、食事の味は良く、プリズンライターズを読む限りまだ増しな気が致します。
処遇や教育は他の方が遥かに良いと思われますが…ただ1つ、大きな救いがあるとすれば、現場を巡回に来られる統括さんが非常に器量のある方で、私たちの声を聞き届けて下さる。そして反映させてくれるのです。
けれども幹部の方は2~3年で転勤する上、この様な方は希有な存在。
正に盲亀の浮木。私たちにとっては神の様な人でも、楽をしたいのが平の常で、対応する現場の職員は面倒がるのです。
神統括の転勤後は「もう全部やめちまえ~」と、元の木阿弥でしょうね…(泣)
まぁ、刑務所なんてそんなもんですけどね。
私は無期なので、「俺は後何年こんな所で頑張りゃいいんだよ…」と思いつつ、今日もまた日が暮れる。
今年も1年、何か出来ることを探しつつ、頑張ってみます。1歩1歩ですけどね。
では、昨年のクリスマスからの生活模様です。
12月22日(昼)(クリスマスメニュー)
チキンライス・チキンカツ・スパゲッティサラダ
まるごとバナナ・コーヒー
12月29日(年末年始連休初日)
チョコパイ(6コ入)・雪の宿(ミニパック)(2枚×5袋)・みかん(3コ)
12月31日
バタークッキー(3枚×3袋)・チップスターうすしお(ミニ)・極上どら焼き(1コ)
カップそば(ミニ)(夕食時)
1月1日(三が日のみ主食が白米)
紅白まんじゅう(2コ・こしあん)・御節(和洋二段で各9種)
(朝昼夕の主食として)・雑煮(白味噌・白玉3コ入)(昼食時)
1月2日
雑煮(すまし・白玉3コ入)(昼食時)
1月3日
ぜんざい(白玉3コ入)(昼食時)
以上が通常の食事に+(プラス)されて出ました。TVは下記を見せてもらいました。
ドラマ(全10話)
下剋上球児
映画(5本)
ドランクモンキー酔拳
味園ユニバース
スパイダーマン・ファー・フロム・ホーム
ミスターGO
ジョン・ウィック
これが今回の年末年始でした。また何か報告できそうなことがあれば投稿します。
2024 / 1 / 3
獄の学び・感銘を受けた言葉 Vol.1
所内で何かを学ぶ時、ネットは使えず、TVも自由には見られない為、本で学ぶしかない。
個々が何を好み、何を学ぶかはその人を如実に現す。
私は今回から自らが読み、心に響きノートに書き溜めた珠玉の言葉を披露したく思う。
人の出会いと同様に、本や言葉とも出会うべくして出会うと私は信ずる。
例えば本の場合、新聞や雑誌で何度も目に入って来たり、人から薦められたりする。この時、私は本の方から出会いに来ていると感じる。
これが買い時だ。官本で見つけた時は幸甚に思う。言葉もそうだ。
必要としている人の所へと、必ず出会いに来るからこそ、心に響き、人の人生を大きく変え得る力を有するのだろう。
昨今の物価高に刑務作業の賃金の安さでは太刀打ちできず、財も無く、身を寄せる縁も無い私は四苦八苦。
自由に学ぶことさえ困難を極める。それ故に吟味に吟味を重ね、本を購入することを強いられている現状だ。
だからこそ良書との出会いは喜びも一入であったりもする。正に一期一会の感ありだ。出会うべくして出会った気にもなるはずだ。
ここで私も多くの良書を御紹介したいと思うが、先達の方々の二番煎じ感が否めない。
その上私は純文学や小難しい啓発本を好む為、私の推しは皆が求める本ではないと思われる。
そこで感銘を受けた言葉を紹介しようと思った次第だ。
これならば受刑者や社会人を問わず、悪人や善人、老若男女の別なくご紹介させて頂ける。
生活の場は違えども、似た様な苦しみや悩みはあるだろう。辛さを抱えつつも生きて行かねばならないのが人。
私がご紹介する言葉が、皆様の心の一助とならんことを願う。
今回の言葉はネイティブアメリカンの伝承である。
彼らは開拓者たちに虐げられ、土地を奪われたことは周知の事実。人の欲や差別は酷く、そしてとても恐ろしい。
今だに米国には“KKK”(クー・クライシス・クラン)の様な白人至上主義集団も実在する。
愚かにも戦争は無くならず、蛮行は繰り返されている。肌の色、人種、宗教の違いがどうしたと言うのだ。
違う人間同士だからこそ、互いに笑い合えるはずだろう。世界と皆様の日々の幸せを願い、この言葉を贈る。
あなたが生まれたとき
周りの人は笑って
あなたは泣いていたでしょう。
だから、
あなたが死ぬときは、
あなたが笑って
周りが泣くような
人生を送りなさい。
平明で万人が理解できる優しい言葉。それ故に深く、とても良い言葉だ。初めての試みということで簡単な言葉にさせてもらった。
社会の方は当然、私たち受刑者も遅くはない。笑って死ねる様に生き直そう。
そして死が訪れた時、誰か1人でも泣いてくれる人が居るのなら、仮令どこで死んだとしても、私たちが生まれて来た意味はある。
涙を流してくれるその人の心に、残せた物がきっとあるはずだから。私はそう信じている。
あなたは今、笑って死ぬことができますか?
2024 / 1 / 13