
【プリズンライターズ】刑務所より俳句と短歌 Vol.5 (つぶやき付き)+優しさについて
お久し振りです。PN・高圧線ビリー!ですが、お元気でお過ごしですか?
プリズンライターズ(プリレポ)には受刑や更生、未来への不安や信念等が溢れんばかりに寄せられており、各々の主義や価値感の多様性に触れられ、そこから沢山の学びを得させて頂いてます。
早速ですが、今回も拙筆で貴重な誌面を埋める事になりますが、私の短歌備忘帳に書き溜めた作品達に日の目を見せてやりたい親心をご理解頂けましたら幸いです。
短歌
・逢いに行く時間も全て恋してた
どこでもドアがなくてよかった
(恋して胸が疼いてやまない時って、運悪く渋滞にハマってても、なぜあんなに心地よくポジティブになれるんだろう?何もかも便利になった今の時代はどこでもドアの様なツールがあってもおかしくないけど、でもそれってつまらないよね。阻むものが何であれ、それを恋を成就させるモチベーションにシフトできれば、その不便もイイもんですよね。俺、顔に似合わずロマンティスト? )
・服役の各地を語る老囚の
あたかも旅の思い出ごと
(平和な国に生まれて戦争を知らない人がいる反面、戦争が常態化した国に生まれて戦争しか知らない人がいる。懲役とは無縁で生きる人がいる反面、懲役しか知らない人がいる。人生って万人万色!老囚の話す姿に考えさせられた。)
・才のなき我が身は悲し歌詠めば
三十一文字の日記となりたり
(俺が短歌を始めたのは、ノートに一行日記を書いた事がキッカケだった。上手く感情を短く表現できるようになれば、短歌は日記より奥が深くなるヨ! )
・コロッケにソースをかけて食べてみた
かけない方もどちらも美味い
(俺は基本的に調味料を使わないんだけど、先日なんとな~くコロッケにソースをかけてみたら、冷めてねちょっとした刑務所コロッケも美味しかったヨ(笑) )
・我が思考埋め尽くすような雨音に
固まれ今日は素直に眠る
(俺は雨音が好きだ。悩み事やイラ立ちで居ても立ってもいられない時でも、雨音は俺を眠りに誘ってくれる。雨の日は大体寝てます(笑) )
・雨上がりキラリ光が零れてる
雲の割れ目が天への入り口
(ついついその入口を潜ってみたくなる!自然の美しさは神々しいよね。 )
・ひらめきを書こうと紙を探す間に
はてさて記憶は跡形もなし
(俺はまだアラ・フィフだけど、ちょくちょくそんな事がある。元々が頭悪い事もあるけど、もう歳なんかなあ・・・・・。嗚呼、気分は超ソーブルー。加齢オソルベシッ! )
今回はちょっと毛色の変わった歌を詠んでみましたが、如何ですか?どれか一首にでも共感を頂けたら、懲役歌人冥利に尽きます。
身体は塀の中にあっても心まで拘束される必要は全くない。肩の力を抜いてもっともっと、もっと自由で柔軟に過ごしましょう。
自分を本当の意味で大切にして下さい。最後までお付き合い頂いた事を心から感謝し、またお目にかかれる事を楽しみにし、この辺で擱筆とします。
2024年1月8日
優しさについて
本文をお読みくださってる方々の中には、その人が力を持っている訳でもないのに、特別に何かをやってもらえる訳でもないのに、逆に自分の方が力になってあげなければならないような人なのに、その人の傍にいるだけで、優しさに気持ちがホッコリとして心に余裕が生まれたと云う経験はありませんか?
優しさと云うのはその人の大きな武器、何ものにも代え難い魅力ですよね。
刑務所のような世知辛い空間だと、その優しさについて何かと考えさせられます。
ちょっと金八先生のような事を云いますが、「憂」うと云う字に人偏を加えると優しいになります。
心が傷つき、嘆き苦しんでいる人に寄り添う人と云うのが優しさの原点なんだと私は考え、信じてる。
人の心の機微を知り、人を思いやる気持ちと云うものがなければ、それは本当の優しさとは呼べないし、慰めや労りの言葉をかけても、相手の気持ちへの共感がなければ、優しさと云うものは伝わりません。
自分自身が悩みや苦しみを経験し、葛藤に葛藤を重ねてこそその人の人格が形成され、その中で他人に対する思いやりが優しさに昇華していくんです。
子供の心はまだ余分な雑音や先入感に染まっていないので、その大半が優しさに加え感動で満たされている。
それが年を重ねる毎に感性が鈍ったり汚染されたりしていくのは、ホント、寂しいものですよね。
生まれたばかりの赤ん坊や幼児を見てると、無条件で可愛く感じますよね。
それは、その赤ん坊の中にある優しさが純真無垢で、全てのものを吸収しようと云う心に満ちているからだと、私は信じている。
憂うとは、心が傷つき悲しんでいる人に寄り添う人と書きましたが、人につきものの憂いと解釈する事も出来る。
人としての悲しさや侘しさ、苦しみなどを自分の心の奥に秘めている人と解釈する事も出来る。
考えてみてください。自分の心の中に秘めた寂しさや悲しさ、焦りや苦しみなどを自分の感性と共感させられなければ、優しさと云うものは絶対に伝わりません。
優しい人と云うのは、自分も共に悩み苦しみ悲しむ人の事で、その優しい人からのアドバイスは素直に受け入れられます。
また、一緒にいてくれるだけで幸せな気分になりますよね。
優しさとは人間関係で、一番の基本になるもので、生きていく上で優しさを抜きにして人間関係は語れません。
大多数の人がお金よりも優しさを求めているのは、共同生活を送りつつ社会的な関わり合いを持つ上での基本が、相手の心を思いやる優しさ以外にはないと無意識に理解しているからなんでしょうね。 考え方は十人十色で、私の考え方が絶対に正しいとは云いません。
その為、本文とはちがった意見を持たれてる方もおられると思います。
私の成長の為にも本文とはちがう考え方の方がおられましたら、参考までにプリズンライターズ・レポートに感想や意見を投稿頂けたら幸いであります。 私の拙ない文に最後までお付き合い頂いた事に心から感謝し、この辺で失礼します。
合掌

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