永続する景色
私的な文章が全く書けない。
趣旨を変えて、最近みた展覧会の話をしたい。
日本大通り沿いにあるギャルリーパリで叶野千晶 壁景 Chiaki KANO WALL-SCAPE という展覧会を、知人経由のFacebookの紹介で知り、心惹かれるものがあったので行ってきた。
(彼女本人と私は一切関係はありません)
叶野さんは在学中に学校に通えなくなり、孤独の中を彷徨く中、『アンネの日記』を読んで一筋の光を見出した。その後、ポーランドの地に自ら何度も赴き、ユダヤ人強制収容所の壁の写真を撮り続け、その壁の青い染みが自分の原風景と重なったという。
私は写真のことは素人で何も分からないが、彼女が撮った写真に技術的に映えたものは何一つない気がする。
無機質な壁の巨大な写真の他、一回り小さな写真が展示されていて、そこには人や生き物は殆ど写っておらず、ポーランドの草原や青空、路地裏などの閑散とした景色が広がっている。
孤を突き詰めた先にみる景色は確かに存在するのだろうと不思議な感覚に陥る。
私は彼女のように自分の信念に忠実に、ひとり歩いていけるだろうか。
その先にはじめて永遠に続く意識の広がりを感じることができるのかもしれない。
全てのことが理解できず、全てのことに共感できるような、心の中を掻きむしられるような気分になった。
誰にも決して立ち入ることのできない、純粋な想いと希望を写してくれてありがとう。