砂時計の意味
ROAD TO KINGDOM - ACE OF ACE の第一ラウンドで脱落したチームが噂されている。それが本当だとすると、まったく解せない。
この番組は、参加チーム(30%)と、実際に各チームのパフォーマンスを会場で観ている観客(70%)の投票によって評価されるため、プロの目による審査がない。
そのため、高い得点を得るのは、
・コンセプトがわかりやすく、
・セットが派手で
・観客をあっと驚かせる
演出のチームということになる。
我が推しチームの先輩格であるアイドルは、自分たちのパフォーマンスが15秒ごとに観客を驚かせるものであるべきだと言っていたが、まさにそういう作品が求められているのかもしれない。
今回、すでに脱落したとされるチームの舞台が今日放映されたが、それを観てなぜこのチームが脱落したのかわからない一方で、わかるような気もした。
「アイデンティティ」という今回のテーマを、様々な障害に阻まれながらも多くのハシゴを使って高みに昇っていくという演出でうまく表現していたと思ったが、次に出てきた(恐らく)優勝候補のチームに比べると、確かに派手さには欠けていた。
ただ、こちらのチームが「アイデンティティ」を表現していたかどうかと言えば、そうは思えなかった。しかし、ステージの迫力や群舞の揃い方、セットの派手さなど、エンターテイメントとしては完成度が高かったと思う。多分このチームが高い得点を得るだろう。
ここが、なんともモヤモヤする。
各ユーチューバーのリアクション動画を観ていると、「分かりにくい演出=(作品として)良くない」という評価が多い。「分かりにくい」というのは、言い換えれば「抽象的だ」ということだ。実際は、そこは観る者の解釈によって異なっても良いと思う。それを「私はこう思う、いや私はこう思う」と議論するのが、芸術解釈の面白さだと思うが、そういう世界に慣れていない人にとっては、分からなくなると混乱し、「無理」の一言で排除してしまうのかもしれない。
推しの参加グループは、どのバトルにおいても砂時計を使う場面がある。あれにどんな意味があるのかは、私にも正直よくわからない。砂の色が変わることで、徐々にポジティブな希望や夢といった明るい未来につながるのかな、ぐらいに思っている。そのうちわかるかもしれないし、最後までわからないかもしれない。
でも、わからないのは悪いことなのか?人生において答えがハッキリ出ることなんてほとんどないのではないか。そして、その不条理を表現するのが芸術なのではないかと思う。
なーんて小難しいことを考えながらK-Popを観るのは、間違っているんだろう。
だから、こうしたことを敢えて表現できるグループは売れない、という結論に落ち着きつつある。前々から薄々と感じていたことだけれど。