婦人科健診の日に考えたこと。
わたしは低用量ピルを服用しているので、処方してもらうのに合わせて1年に1回、乳腺の健診(マンモグラフィー&超音波検査)と子宮の健診(子宮がん検診&超音波検査)を受けている。
今日はその予約日だった。
先に乳腺の検査を受けて、内診台に上がる前に診察室へ。乳腺の結果を一通り話し終わると、先生が改まってわたしのほうを向いて言った。
「nagiさんも、45歳になられたということで」
「そろそろ閉経のことを考えないといけないんですが……」
「まず、ピルは50歳になると、処方できません」
「その前でも閉経したら、中止してください」
もともと、40歳以降のピル服用時には必ず言われる「血栓症のリスク」。閉経するとそのリスクがさらに、格段に上がるということだった。
そもそもピルを服用しながら閉経ってどうやってわかるんだろうと思っていたら、先生がきちんと説明してくれた。閉経すると休薬期間の消退出血が自然となくなるらしく、それが2か月3か月続いたら(妊娠の可能性を排除してから)閉経とみなす。だからこれからの5年は注意してみててください、とのこと。
いつまでピルを飲めるのかは、自分でももちろん考えていて、今回先生に言われなかったら自分から聞くつもりだった。前回までは何も言われなかったから、「45歳」はここでもひとつの目安なんだろう。
……なんだろう、自分でも考えていたし覚悟もしていたけど、改めて先生から言われると、『閉経』が急に現実味を帯びてきて、しばらく呆然としてしまった。そっか、あと5年もしたら閉経するんだ、、、いや、5年もないかもしれない。もしかしたら来月、再来月に閉経するかもしれないんだ。
(あれ、わたし、ちょっと落ち込んでる??)
呆然としたまま服を脱いで内診台に乗って自分の子宮の超音波映像を見て、先生の言葉に空返事をして言われるがままに服を着た。看護師さんの指示もきちんと聞けていなくて、出口を間違えそうになった。
気がつくと病院を出て、
どこに向かうでもなく歩いていた。
自分でも驚くぐらい、心が沈んでいた。
ここ最近の、自分のからだの変化について考えていた。
30代後半からほんとうにからだの変化を強く感じるようになって、今、気になっていることがたくさんある。さらにこれから閉経に向けて、女性ホルモンの分泌が減少する。閉経しなくても50歳を迎えてピルをやめたら、きっともっと、いろんな変化が起こると思う。
わたしは自分が思っていたよりずっと、
「女性」でいたかったんだと思った。
閉経によって失われるものを、
これからは自分で補っていかなくちゃいけない。
いや、他の誰でもないわたし自身が、
「補っていきたい」と思っていることが今わかった。
わたしは若いころからあまり、美容やアンチエイジングについて真剣には考えてこなかったけど、これから先はもう少し考えて取り組みたいと思った。いきなり高いお金をかけて何かしようというのではなく、今からでもできることを生活に取り入れて、できるだけ現状を維持できるように。遅すぎるかもしれないけれど、やらないよりはいいはず。
***
このまま家に帰る気持ちにはなれなかった。
周りをみると、少し先の方に4月にリニューアルオープンしてまだ行けていなかった駅ビルが。(たしかずっと行きたかったお店が入ってるんだった。しかもこの時間も開いてるはず)
なかなか普通の本屋さんでは見かけないラインナップで楽しめた。せっかくなので有料エリアにも。読んでみたかった作家さんの小説、さっそく美容系の本も読んでみた。
今日ははじめてでおどおどしっぱなしだったけど、次からはもっと有意義に時間が使えそう。
帰る頃には沈んでいた心も落ち着いてきた。
こうやって一つ一つ受け入れて、今日も明日も生きていく。
にしても時間が過ぎるのが早すぎるよ。ほんとうに。