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【総合ファーム別①】 ファームごとの個性・違いを解説(BIG4 / ACN ベイカレント)

本記事では、BIG4現職の著者が、ググって上位表示されるメディアより一段高い解像度で総合コンサルティングファーム各社のカラーについて解説します。

【著者の略歴】
東京大学から新卒でBIG4の1社に入社。現職。システム導入案件をメインに、戦略案件、グローバル案件にも携わる。趣味は麻雀(アマ四段)。






Deloitte

創業年:1845年
日本市場におけるシェア:2位

Deloitteは、PwC、EY、KPMGとともに、BIG4と呼ばれる会社の1つです。
BIG4はいずれも、1800年代に開業した会計事務所を起源としています。
そこから時代を経るにつれて、会計以外にも経営戦略・M&A・法務など、企業を運営していくために必要な領域を対象として、サービスラインを拡大することにより成長してきました。

Deloitteは、IT領域・サステナ領域軸として大幅な人員拡大/売上拡大を目指しています。現状は約3500億円程度ですが、2030年に1兆円を目標とする戦略を発表しました。

会社のカラーとしては、落ち着いた人が多いコンサル他社とは対照的に、体育会的なカルチャーが特徴です。プロ意識の高い人が多く、多くの時間を投下してでも成果物の品質を高めるという文化が浸透しています。

現職ではないですが、元パートナーの森正弥氏が有名です。東京大学や東北大学の教員としても在籍されている、AIの研究者です。デジタル領域は最先端の分野であり、アカデミア関係者もエキスパートとして抱えられているのが総合コンサルティングファームの良さですね。
※2024年より博報堂のChief AI Officer




PwC

創業年:1849年
日本市場におけるシェア:3位

BIG4の一角を占めるコンサルティングファームです。

「やさしいコンサル」というキャッチコピーを耳にしたことがあると思いますが、最近は採用にかなり力を入れており、人員拡大を目指している会社です。

最大の特徴として、労働時間が短いことが挙げられ、特にジュニア層(Senior Associate以下)の平均退勤時間は18-19時頃です。上位の職階(Manager以上)は、ジュニア層よりは労働時間は長いですが、それでも他社に比べると圧倒的にホワイトと言われています。

強い領域としては、業界軸では製造業・消費財・小売など、機能軸ではITが主力です。2024年にITシステム導入の会社を買収しており、全社戦略としてこの領域を拡大していくことが読み取れます。





EY

創業年:1849年
日本市場におけるシェア:4位

EYもBIG4の1つとして知られています。

他社と比べるとグローバル案件の割合が高く、海外経験のある人を多く採用しています。入社時にTOEICスコアが必要なのも特徴的です。

現在の社長もDeloitte出身であることもあり、カルチャーはかなりDeloitteと近いと言えます。パワフルで働く意欲が高い人が多めです。

AccentureやDeloitte、PwCとは対照的に、IT系の部門にそこまで力点を置かない戦略を掲げています。

全社の特徴ではないですが、26歳で最年少パートナーになった西尾素己氏が有名です。10代からホワイトハッカーとして活躍され、2019年にEYで安全保障・セキュリティ領域のパートナーに就任されました。







KPMG

創業年:1870年
日本市場におけるシェア:6位

KPMGもBIG4の1つです。

KPMGの最大の特徴としては、人員拡大を続ける他のファームとは対照的に、少数精鋭を貫いている点です(2024時点で他BIG4が社員数4000人程度に対しKPMGは2000人程度)。
総合コンサルティングファームにおいて多くの人員を必要とするのは、大規模なITシステム導入の案件ですが、ファームカラーとしてこの領域は重視していません。

KPMGが強みを持っている領域は、リスクマネジメント・サイバーセキュリティ・財務効率化など、他のファームに比べるとややニッチな分野となっています。

社風としては、BIG4の中で真面目な人の割合が最も高く、研究室に近い雰囲気と言われることもしばしばあります。






Accenture

創業年:1913年
日本市場におけるシェア:1位

Accentureは日本最大のコンサルティングファームです。

その強みはなんと言ってもデジタル領域で、上流から下流までカバーしているのが特徴です。具体的に言うと、「企業の経営課題は何か」という最上流の戦略を検討するチームだけでなく、業務レベルの課題を解決するチーム、システムの構想を練るチーム、実際にプログラミングを行っているチームまで多岐にわたります。

資生堂やコカ・コーラなどを大型クライアントとして持ち、数十億円~数百億円の巨額のフィーを得ていると言われています。

新卒だけで毎年1000人近く採用しており、マンモス企業となっているため、会社でデスクが足りないのが最近の社員の悩みだそうです。




ベイカレント

創業年:1998年
日本市場におけるシェア:5位

今回取り上げる会社の中で、唯一の日本発コンサルティングファームがベイカレントです。

最大の特徴としては、営業の専門部隊が存在していることです。一般的なコンサルファームであれば、パートナーを中心とした上位職階の人が案件を受注しますが、ベイカレントは年次を問わず若手でも営業します。

そのため、BIG4などは専門性の高い案件が多くなるのに対して、ベイカレントは敷居が低い案件を多く集めています。具体的には、PMO案件を中心とした、クライアントの業務を代行するような役割が多くなります。

また、芸能事務所セントフォースの人が受付スタッフを務めていることが有名です。タレントの森香澄さんも以前はベイカレントで働かれていたようですね。



まとめ


今回、総合コンサルティングファームの中でも有名な6社をピックアップし、紹介しました。

ただ、ここでは扱いきれなかった魅力的なファームがまだまだたくさんあるので、少しでもご興味がございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです!

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