テスラ保険の衝撃!!ついに車会社が保険サービスを行う時代が到来?!!
こんにちは。
先日の日経新聞にこんな記事が掲載されていました。
「テスラが変える自動車保険 安全スコア駆使、3割安も」
ご覧になった方も多いと思います。
テスラが今年の1月に開いた決算説明会でザック・カークホーンCFOが
「2022年末に保険料収入が年3億ドル(420億円)規模に達し、四半期の成長率は20%と自動車販売より高い。」と発表しました。
テスラは自社のEVを購入した顧客に「テスラ保険」を売っている(提供している)ようです。
この「テスラ保険」は一般には「テレマティクス保険」と言われているものです。「テレマティクス保険」とは「ドライバーの運転行動や車両のデータを利用して保険料を計算する保険」です。
従来というか、現在、多くの人が加入している自動車保険はどのような形で保険料を算出しているか調べてみると、以下のような基本情報で保険料を算出しているようです。
・用途、車種
・型式
・安全性能
・新車、新車以外
・年齢
・過去の事故件数、無事故年数
・年間走行距離
・使用目的
ところが、テレマティクス保険である「テスラ保険」は、まず基本情報として
・走行距離
・保有車種
・居住地
・必要とする保証水準
以外に、テスラ車が搭載する膨大なセンサー類を活用して日々弾き出す「安全スコア」を使います。
つまり、この「安全スコア」を利用してドライバーの走行距離100万マイルあたりの事故発生確率を予測して0から100の数字で示すようです。
例えば、急ブレーキや衝突警告、先行車両との異常接近が増えるとスコアは下がり、スコアが良ければ保険料が下がる仕組みで、従来の保険料よりも20-30%下がるケースが多いと説明しています。
実はこうした「テスラ保険」のような「テレマティクス保険」は、国内でも既に大手の保険会社が行っています。例えば、以下のような保険があります。
・あいおいニッセイ同和損害保険の「タフ・つながる車の保険」
・イーデザイン損保の「アンディー」
・ソニー損害保険の「安全運転でキャッシュバックプラン」
・損保ジャパンの「つながるドラレコDriving!」
・三井住友海上保険の法人向けサービス「スマNavi」
ところが、こうした「テレマティクス保険」の走行データを計測するにあたり、車本来のセンサーデータを活用することができずに、やむをえず保険会社が提供する「専用のIOTボックス」や「専用スマホアプリ」を使って走行データを取得しています。
ところが「テスラ保険」は
「テスラ車の本体データをそのまま利用者が意識せずに使える」
という点が大きな違いであると思います。
こうしたメリットは「車の会社」が保険サービスを提供することで、初めて本格的に可能となった点です。
実は国内の自動車会社も既存の損害保険会社と連携して、これに近い取組みを行おうとしています。以下のようです。
・トヨタ自動車:あいおいニッセイ同和損保と共同で「トヨタコネクティッドカー保険」
・ホンダ:損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上と協同で「Hondaコネクト保険」
・日産:損保ジャパン、東京海上日動との協同で「日産カーライフ保険プラン」
このような自動車会社が中心に開発する「テレマティクス保険」もテスラと同様に自車の車載センサーからのデータをそのまま活用しているものと思われます。
ただ、こう見ていくと、トヨタ、ホンダ、日産は「既存の保険会社との関係」から抜けられないのではないか、という限界が見えてきます。
また、大手保険会社にとっても、トヨタ用、ホンダ用、日産用、またそれ以外の他社も含めて、複数種類の保険形態とシステムを扱う必要があり、複雑です。
逆に全くしがらみのない「テスラ」は、自ら自車ユーザーに対して、シンプルで最適な「テスラ保険」を開発、提供しており、自社でやっているが故に、その「機動力」「わかりやすさ」は一歩進んでいるのでは、と思います。
「テスラ保険」はカリフォルニア州から始まり、その展開地域は、現在、米国12州に拡大して、米国人口の約4割をカバーしている(潜在契約者?)ようです。
また、テスラにとっても、こうした「安い機動的な保険商品と自車のEVをセットで販売」することによって、ユーザーにその総合的な価値も訴求できるようになります。
これからの自動車EVは「テレマティクス保険とセットで販売」される時代が来たのかもしれません。日本でも、そのうちトヨタ自動車などが自社でテレマティクス保険を出す日が近いのではと予想されます。例えば、レクサスユーザー向けなどの「レクサスユーザー保険」が提供されるかもしれません。
いずれにしてもイーロン・マスクのテスラ、そしてテスラ保険の動向は目が離せませんね。
それでは。
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