印刷あるある:本文の文字が細くて薄く見える:PDF@windows office data の ヘアライン処理
windowsOFFICEの印刷データばかり扱っていると…
本文の文字が細くて薄く見える!
と、たまに顧客から言われるんですが、そもそも基本顧客支給のデータなのに、そのクレームはないでしょ!?
リスマやキンコーズどうすんの? となるよね。
全部MS明朝のせいです。
数式なんかも小さいので影響が出ます。
Windowsのシステムフォント変遷:
●MS明朝/MSゴシック: Windows 3.1から長年使用されてきた基本フォント
●メイリオ: Windows Vista (2007年)から導入された新しいシステムフォント (明朝のバリエーションはなし)
●游明朝/游ゴシック: Windows 8.1 (2013年)から採用された新フォント
このMS明朝、最近ではシステムフォントからは外れたもののまだOSに付属してますからね。メイリオだった2007~も明朝のバリエーションがないのでMS明朝を使う人が多かったと思います。
MS明朝は横棒がヘアラインの様に細いので、昔から10point以下が使われていたら要注意でした。
でも、このデータ細いな、薄く見えちゃうな、と事前に気付いて対処してくれる現場オペレータはまずいないです。生産管理や営業から指示しないとね。そしてまた多くの人は刷り上がってこないと気が付かないです。
生産管理課にいる私でも、部抜きが来て、あーしまった忘れてたとなる事も幾度か...。顧客によっても薄さを気にするしないが違いますしね。
因みに写真の仕事は軽オフなので、現場にはただoutlineだけを指示しています。軽オフだとoutlineするだけで若干の太りがあるためです。
解決法あれこれ
(会社によってやるやらないはあるけどね)
軽オフの場合:
軽オフの刷版機はシェア一番多いのは何といっても岩崎通信機(IWATSU)だと思いますがこれはボールドモードがあり、これ使えばほぼ解決すると思います。(Iwatsuさんのはあと7年くらいで製造やめるそうです)
他でシェアNo1は三菱のシルバーマスターです。これもボールドモードはあります。
軽オフ以外の大台も含め:
それでもまだ太さに満足できなければデータ編集しかないです。
線数を変えてもフォントの太さは変わりませんので。
データ編集で共通して言えるのは、
テキストだけを選択し、塗りだけで出来ている文字の周りに線を付ける方法です。線に太さを設定しますが、初めての場合は、できれば一発勝負ではなく、いくつか太さのバリエーションを試し刷りして確認してからの方が良いと思います。
編集:pitstopを使う方法
テキストだけを選択して太らせる方法です。罫線等のオブジェクトもできます。
1)新規アクション作成
2)テキスト/埋め込みフォントを選択
3)線画/塗と線の変更 -> 塗り-オン、線-オン
4)線画/線幅の変更 -> 線幅0.01mm
※図表関係の罫線も太さによって処理するメニューは用意されています。(ここでは省略します)
編集:Acrobatを使う方法
新規フィックスアップ
・ページコンテンツ/線幅と設定で設定値を0.01mmに設定
・パターン内の線を含めるx Type3フォント内の線を含める-O
・名前と説明を入れてOKを押下
保存したらお気に入りに入れておきましょう。
編集:0.05mm以下の罫線(あくまで弊社で決めている設定値です)
Acrobat
新規フィックスアップ~線幅と設定
0.01mm以下の罫線を0.05まで太らせるフィックスアップ
設定画面ではフォントには適用しない設定にする
0.05mmは軽オフのピンクマスターでは何とかでる最小値(弊社設定)
ただし、墨100%ではしっかり出るがそれ以下だとかすれたりすることがあり、製版機のメンテ状況にも左右されます。
ヘアラインが物理的に刷れる事 <> 顧客が見て「薄いな~細いなぁ~」と感じない状態、これはイコールではないと思います。
程度は個人差があるので難しいですよね。でも会社として、処理する・処理しない、の方針から、処理するなら設定値(しきい値)はどうするのか等、取り決めはしておいた方が良いと思います。