『7つの習慣 小学校実践記』
著者:渡邉 尚久
発行所:キングベアー出版
発行日:2005/01/10
今回は『7つの習慣』を小学校で教え始め、学校教育に取り入れた渡邉尚久氏の『7つの習慣 小学校実践記』。
著者が小学校で実際に授業をした様子や生徒の反応などが書かれています。
人に教えるときは小学校3年生に教えるようにするとわかりやすくて良いと言われます。
大人が読んでも難しい『7つの習慣』をどう小学生に教えているのかは、今後の実践会やセミナーなどに大いに役に立つだろうと手に取りました。
今日はこの中から、特に実践が難しいとの声を聞く3つの習慣を取り上げます。
ミッション・ステートメントを実践するコツ
まず一つ目は第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」です。
この中にミッション・ステートメントを書くというお題がありますが、実践会に参加している人もなかなか書けないのが現状です。
ミッション・ステートメントは書く前に人生の終わりを想い描くことが大切になります。
本書では実際に小学生に配っているワークシートも提供されており、その膨大な質問の数に驚かされます。
このワークシートを使って子どもたちがミッション・ステートメントを書き上げているので、ワークシートの完成度の高さが伺えます。(著者の指導も加えてですが)
ミッション・ステートメントは書いて終わりではありません。
このワークシートの中に作ったミッション・ステートメントを実践するヒントがありました。
自分の価値観を洗い出し、なぜその価値観が大切なのかを自分の言葉で説明する。
そして、その価値観を実践するための行動指針は何かを考える。
ここまで行って初めてミッション・ステートメントを実践できるのですね。
前に書いたけどそれっきりという方や、うまく実践まで落とし込めていない方は試してみてください。
また、自分の価値観を棚卸ししたいという方は、価値観を見つけられるゲームを試してみてください。
本当に相手を理解したいという気持ちが理解を生む
二つ目は第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」です。
特に前半の相手を理解することが実践する上で難しい。
本書では相手を理解することを5つのプロセスに分けて教えています。
最大の預け入れ
相手にとって何が預け入れになるか
どんなコミュニケーションがいいのか~悪いコミュニケーション~
感情のパントマイム
感情移入の傾聴
最後の「感情移入の傾聴」は傾聴の4つの段階で、『7つの習慣』ではスキルと定義されています。
スキルはテクニックと同様に個性主義と言われ本当の意味での関係性は築けないと言われます。
この点も踏まえた上で、本書では以下のように伝えています。
本当に相手のことを理解したいという気持ちを持っていなければ、相手とWin-Winな関係は築けないのだと。
シナジーを邪魔する3つのもの
三つ目は何と言っても第6の習慣「シナジーを創り出す」ではないでしょうか。
相手に忖度したり妥協したりすることはシナジーではありません。
本書ではこのシナジーを創り出す邪魔をするものを3つ定義しています。
無知
排他心
偏見
自分に知識がなければ相手の言わんとする事は理解できません。
違いを認めず、気の合う仲間とだけ付き合っていたらシナジーは生まれません。
そして、相手に対して「~だ」と決めつけていたら、理解の妨げになります。
これらの話を聞いての子どもたちの感想が載っています。
7つの習慣の学びを通じて子どもたちが成長していく、素晴らしい授業だなと思いました。
私は『7つの習慣』を実践することで人生が変わりました。
社畜のように昼夜関係なく働いていた状況が一変し、今は全く別の分野で独立するまでになりました。
本当に人生を変えてくれた本だと思っています。
これを小学生の頃から学べていたら、どれほど豊かな人生が送れるのだろうかと思います。
もちろん、思春期に入っていき実践し続ける難しさはあるかもしれません。
しかし、『7つの習慣』の授業で学んだことが一瞬でも頭をよぎる、無意識の中で生きていると、あらゆる行動や判断が変わっていくのではないかと思います。
『7つの習慣』は素晴らしい本ですが、内容が抽象的で難しい面があります。
一人で読みきれない、理解が乏しいと感じる場合は、「7つの習慣・実践会」に参加してみてください。
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7つの習慣・実践会 | Be Highly Effective Person (principowl.jp)
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