『クレッシェンド』#1
「人生はミッションであって、キャリアではない」
世界的ベストセラー『7つの習慣』の著者であるコヴィー博士の遺作『クレッシェンド』を今回から読んでいきます。
著者:スティーブン・R・コヴィー, シンシア・コヴィー・ハラー
発行所:FCEパブリッシング・キングベアー出版
発行日:2023/03/31
他人の話を聴くことは宝探し
話を「聴」こうと思っていても、自分が知っている内容だと、ついつい「あぁ、あれね」と口を挟んだり、興味を失ったり、話半分で聞いてしまったりします。
しかし、誰しもこの世のこと全てを知り得ているわけではありません。
人それぞれ観ている視点も受けた印象も違うため、自分が既に知っている(と思い込んでいる)ことでも、何かしら新しい情報、発見があるかもしれません。
コヴィー博士の「他人が何を知っているのか知りたい」という欲求は、自分の世界を広げる良い機会を作っていると思います。
また、何度も同じ話をしてくる人もいます。
こういう場合はたいてい「また、あの話ね」と流してしまいがちです。
同じ話ばかりされると疲れてしまうのも事実でしょう。
話している側も、たいして聞いてもらえていないと感じているかもしれません。
しかし、話している側がそう思っているのであれば、私たちには逆にチャンスでもあります。
その人の話をただ聴くだけで「その人の心に心理的な空気を送り込むことができる(『7つの習慣』)」のです。
記憶は一連の流れで保持されているわけではなく、一瞬ごとにバラバラに保持されているそうです。
それを思い出すときに毎回つなぎ合わされ編集されるのだと言われます。
警察が容疑者に何度も同じことを聴くのは、実体験ではないことがうまく再生成されないことを利用して矛盾点を見つけるためでしょう。
何度も聞いたことのある話だとしても、都度再生成される記憶に新しい発見を期待して聴いてみるのも良いですね。
今日、あなたは誰の話に興味を持って聴きますか?
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