
Piece CHECK(2024-104) 定積分の極限
【24年10月最新巻】理系数学必須の積分練習帳『∫calc.』好評販売中!!
こちらは、『Principle Piece』シリーズ一覧のページです(全分野そろってます)
1つの問題から、多くの問題が出来るようになるための考え方・手法、すなわち
原則(Principle Piece)
を出来る限り分かりやすく、そして詳しく言葉に落とし込んだ数学の問題集です。解答の詳しさはもちろんですが
「なぜそのような解答になるのか」が分かる
ことを、とにかく意識した参考書になります。
単元自体を未習の方も、本シリーズで最初から体系的に高校数学を学べます。そして、学習後の到達レベルは「難関大入試合格最低点レベル」です!
今回の問題
YouTube動画をUPしました。中央大学、定積分の極限に関する問題です。(リンクをクリックするか下の動画をご覧ください)
思考時間は約10分、目標解答時間はそこから約20分です。(誘導なしなら思考時間は+10分)
解説・原則など
定積分の極限を求めるタイプの問題ですが、ノーヒントならこれがラスボス級の難易度と言っていいでしょう。
過去には、京大や東工大がこれをノーヒントで出題しています。
本問は誘導が非常に丁寧です。これを題材に、ノーヒントでも解けるような思考プロセスまで自分のものにしちゃいましょう!!
(1)はただ計算するだけです。(2)に向けての準備運動。
(2)から大事な問題。まず$${\sin(n\pi x)}$$が周期関数であることに着目し、こちらの原則を利用します。
周期(的)関数の積分 → 平行移動の置換も有効
絶対値が付いていると難しく見えますが、このタイプならむしろ好都合。山、谷・・・のように交互になっているグラフではなく、山グラフがずっと続きます。平行移動することで、結局0~1/nまでの積分と同じだと分かります。
時間が無い場合は、さくっと図を書いて「ここと同じ」と説明してもいいかもです。
(3)が一番コアになります。証明すべき不等式の形から、分子だけを単独で積分するために、分母の$${1+x}$$は評価して
$${\frac{1}{1+\frac{k}{n}}\leqq \frac{1}{1+x}\leqq \frac{1}{1+\frac{k-1}{n}}}$$
としてxをなくし、インテグラルの外に出すことに気づければ勝ちです。
(4)はただの区分求積です。こちらの原則に従います。
区分求積は [1] シグマの外に1/nを [2] シグマの中でk/nを
(5)は(3)(4)の結果を利用します。(3)の不等式を$$k=1,2,…n$$として辺々を足します。左辺、右辺の極限が(4)から同じになるので、ハサミうちの原理ですね。
なお、(5)の答えだけならすぐにわかります。その考えかたは下の画像または動画で紹介しています。極限をとったときのグラフのイメージを考えれば、結果が
$${\frac{2}{\pi } × \displaystyle \int_{0}^{1}\frac{1}{1+x}\ dx}$$
となることが分かります。その流れを覚えることが、そのまま本問の誘導を思いつくことにつながります。
東大、京大、東工大あたりを志望の人は、ぜひノーヒントで解けるようにしておきましょう!!
関連する拙著『Principle Piece』シリーズ
Principle Piece シリーズは、1つの問題から、多くの問題が出来るようになるための考え方・手法(原則:Principle)によって、「なぜその解法が思い浮かぶのか」「なぜ解答の1行目がそれになるのか」を意識して書き上げた参考書です。
大手ネットショップBASEでも、デジタルコンテンツとして販売しています。
解答


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