<経営の話 問題は今日の雨傘がない>
<経営の話 003>
親父の影響で中学生くらいから陽水を聴き始めた。
あと、落語。この2つは今でも好きだ!
さてさて、売上は下がる一方で、ごく近い将来一番の売り物である煎餅が作れなくなる
としたら、どうしますか??
売上は下がりまくっているので新規採用なんてもってのほか。
洋菓子やってた職人さんたちを説得し、少しずつ煎餅職人に引き込み
祖父が育てた職人さんに習い4人は確保。
高齢の職人さんたちが続々と引退していくスピードには追いつけなかったけど
ギリギリアウトくらいのタイミングではなんとかなった。
悪いことに、その頃そんな概念もなかったですが、どブラック企業。
長時間労働で休日は少ない、しかも薄給。
12時間営業ワンオペとか日常。平気でやらせてましたから(涙)
これから先を考えたら、このままにはできない。
営業時間を短くし、不採算店舗を閉め、8年かけて2店舗にしました。
そこでできた余剰人員を製造に回しました。
全く利益は出ませんでしたが、、、上げました給料。増やしました休み。
おかげでこの十数年、ずっとヒヤヒヤしっぱなしでした。
田中屋せんべい総本家にとって売り物は
手焼き煎餅
その技術
その職人
その味
それを理解して売ってくれる人
お店の利益の源泉はそこ。
田中屋の場合は人を大切にすること、
つまり労働環境の改善にお金をかけていくことが
潰れないための条件。
短期の利益より当然優先されるべきもの。
職人には憧れるけど食ってけないじゃダメなんだ。
事業継続において当然利益を出すことも重要。
だけど、優先順位は一番じゃない。
利益がなくても潰れないけど、売り物がなくなったら確実に潰れる。
ものがどんだけたくさんあっても買ってもらえないものだったら意味ない。
はい、帰ってきた頃は売れないものを一生懸命作ってました。
売れないからって必要な経費までケチりまくって
それでみんなどんどん疲弊していってた悪循環。
利益がないのが問題じゃなくて、売り物がないのが問題なんです。
そこを改善しない限り、どんだけ経費削っても問題は解決に向かいません。
だからこそ、売り物を作るための投資を続けんといかん。
つまりっ!
潰れないことを優先していれば
何でも好きなことチャレンジしてオッケーやと思ってます。
儲からんでもええ(キャッシュが回っていれば)
2018年現在、職人9人。ほぼ自社製造。
相変わらず安月給なのに儲かってませんが、潰れずやれてます。
ようやくですが、ここ十年は潰れないなという確信も出てきました。
けれども、まだまだ道半ば。
やることたくさん。
次回は黒歴史は本当に黒いのか?について考えます。