<ものづくりの話 古人の涎をなむる事なかれ>
<ものづくりの話 006>
18年の間にみそ入大垣せんべいの原材料を大きく3回(小さく1回)変更しました。
4つしかない原材料ですから、実は全部変わってます。
配合はほとんど同じですがほぼ違う製品と言っても、、、
違うと言えば違うし、違わんと言えば違わんなあ。違うけどw
そして、今思うと毎回そのプロセスも一緒でした。
一旦不味くなって、そのあとだんだんアジャストして来る。
そしていつのまにか一段階レベルアップしている。
言葉では1行で不味なってアジャストなんて簡単に書いてますが、
その期間のストレスたるや、胃に穴あくレベル。(あいたことはないけど)
前頭葉からは毒素出まくって額から頭頂部までを不毛の地に変えていく勢いです。
身を削ってすげえ正直に言いますけど、多少不味くなっても作り続けないかんし、
食ってくためにはそれを売り場に並べなきゃいかん。
芸術と呼ばれる陶芸家みたいに納得いかんもんは全部叩き割るみたいなことはできんのです。
当然商品として全然ダメというのは並べませんけど、
今の私には全力でこれしかできませんレベルの商品は情けないけど出しました。
実力がないんだから、仕方がない。
評価が下がるのは当たり前。
でも、一旦途絶えた自社でのみそ入大垣せんべい作りを復活させるのには
ここまでやらんといかんと思っていたのです。
この厳しい道のりを歩んでいかなければたどり着けない場所があると信じて
自分の手で、自分の足で、みそ入大垣せんべいを再発見していく。
それが私のなすべきことだったし、まっすぐな道のりではなかったけど、
その道しかなかったと思います。
指示に従ってるだけで表面上守ってるフリしてる伝統なんて捨てちまえ!
『かりにも古人の涎をなむる事なかれ』だ。
ぶっちゃけ新作バンバン出してる方がよっぽど楽チンですよ。
比較されないんだもの。
納得のいく製品が上がるようになって来たって、満足してるわけじゃなし。
終わりなき修行です。
よっぽど好きじゃないとやってけません。
ホントにそう思います。
今のみそ入大垣せんべいはそんな道半ばの商品です。
全然満足してない。
だからこそ、まだまだ可能性がある。