<ものづくりの話 つやつやとめでたう見ゆ>

<ものづくりの話 007>
外見を犠牲にして、味を優先したと言いました。
https://note.mu/princeofsenbei/n/ncc034f00e3a7
瓦煎餅なんかの小麦粉煎餅は基本的に表面がザラっとしてますが
みそ入大垣せんべいは表面が滑らかでツヤツヤしています。
その艶やかさ、美しさも魅力の一つです。

それにはある特殊な技術があって、それを「艶つけ」と呼びます。
朝一番に型を熱して、薄く油を塗って、再び熱します。
そうすると油の膜ができてきます。
それを3〜4回繰り返してテフロン加工のような油の層を作るのです。
その膜がツヤツヤに輝く煎餅の表面を作ります。
これを毎日毎日焼く前に1時間くらいかけて作業します。

これがホントに難しい。乾かしすぎると生地が引っ付くし、足らないと膜がはげちゃうし、温度上がりすぎると焦げちゃうし、、、
朝からめちゃめちゃ神経使う仕事なんです。

温度計とか使って温度測ってる暇ないくらいの作業スピードなんで
型を開いてほっぺたに近づけて、その伝わる感覚で温度を測ります。
これも見るとビックリされます。

艶つけでも今までの技術で油の種類、刷毛の布の素材なんかを再検討しないとだし、
そもそも全く別の方法をやってみたいし、課題は山積。
表面を美しく仕上げるために艶つけは最も重要な技術なんですが、
それだけとも言い切れないのが悩みの種なんです。
生地のこね方、生地の温度などの状態、型の温度、火加減、焼くスピード、
生地を入れる量、などなどいろいろな要素がありすぎて
これをやったらうまくいくという方程式が見つけられないのです。
昔は生地が優等生だったので焼きやすかったのが
今はやんちゃ坊主の聞かん坊。良くなる手がかりも見つかってません。
1日でも早く味と見た目を両立させたい。
と思いつつ焦らず、これだってのを発見したいと思っています。

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