ものづくりの話 最初の授業

<ものづくりの話 024>
高校生との最初の授業でやるつかみの鉄板ネタがある。
キューピーのマヨネーズ10種類がどこでいくらで売られていたかというクイズだ。

ほとんどの人がマヨネーズに驚くほどのサイズバリエーションがあることを知らない。
お弁当につける用の細長い個包装パック、60gほどの小さなもの、1kgの業務用巨大パック、200g、230g、250g、300g、400g、500gとそれほど変わらんやろという範囲に細々と違うサイズがラインナップされている。
コンビニ、スーパー、百円ショップ、業務用スーパーなどを巡って仕入れる。
加えて百貨店でキューピー以外の高級マヨネーズを買ってくる。
そして、正解数が多い子から好きなマヨネーズをゲットできるというゲームだ。

そして、ゲームをやる前にマヨネーズをずらっと並べてこんなことを聞く。
「これは全部キューピーのマヨネーズで味も変わりません。これらは同じ商品ですか?違いますか?」
答えはバラバラ。同じって子もいれば違うって子もいる。

で、クイズをやった後、ゲットした順になぜそのマヨネーズを選んだのか発表してもらう。これが面白い。
貰えるからかもしれないが、価格やお得感では選ばないのだ。

そして、キューピーはなぜこんなにたくさんの種類のサイズを製造販売しているのか?について考えてもらう。
同じマヨネーズだけど、用途というか使用する場面が違ったり、目的が違う。当然売られている場所も変わる。
ここまでくると同じマヨネーズだけど、売り方で全部違うのが理解できる。
新商品を開発する際、たらこやからしマヨネーズみたいに新しい味を提案するだけが「新しい」んじゃないよと。
こうやって売り場で商品を見る目を育てていくことも大事。
掘り下げていったらこのネタだけで軽く5時間は授業できる。

それにしたって、これだけ細分化されたバリエーションは私にとって意味不明w
私ら零細企業がこんなことやる体力はない。
授業やってる間にキューピーに問い合わせたらよかった。

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