<経営の話 科学のそと>
<経営の話 020>
そうそう、まつほのキャラメル作ってくれてる
ケーキとパン職人の国枝くんに聞いてびっくりしたんですが
パンとか洋菓子ってものすごい科学的なのね。
水分量とか焼成温度とか時間とかいろいろ計算でできちゃうんだって。
製菓製パン理論すっげー!
それを一個一個研究していった人もすげー!!
煎餅の新製品作るときはそんなもんちっとも知らんから
とにかく自分が考えてる0と50と100を試してみて
どや?って具合の良さそうな地点を探していく実験を繰り返します。
なので今だにクソほど失敗作の山を作ることになります。
ここ数年いろんな新製品を見せてもらう機会が増えたんだけど
あと3歩踏み込んでやったら
あと3パターン違うこと試してみたら
もっともっとクオリティ上がるのにってのが多いです。
すごくもったいない。
計算上間違いないところで収まってるから
なんとなくその計算内、常識内のものに収まっちゃう。
そうするとせいぜい2〜3歩先しか行けない。
ぜひそこから飛び出たお菓子を食べたい!
あと、煎餅職人について
和菓子職人さんってぶっちゃけ即戦力を補充可能
専門学校でも学べるし、お金さえあれば他店から引っこ抜きもできる
煎餅職人は自前。一から全部教え、育てないと
器用な子なら焼く技術なんてすぐにでも覚えちゃうんだけど
それもそこがスタート
1年を通して毎日同じように焼くこと
生地が多少変わってもうまく調整する技量
気温湿度の変化に対応する
こういうことをひとつひとつ体で覚え、文字通り身につけていく。
そんな失われたノウハウを取り戻すために
田中屋は1日でも早く煎餅一本化しないといけなかったわけです。
個人的な技術の蓄積と会社として経験値の蓄積を
コストと見るか財産と見るか?
完全機械化して、その技術や経験が不要となったとき
社内に原点に帰れるものがあるか?
その辺をどう考えるかが経営者の決断が迫られます。