<和菓子の話 NOT COOKIE>
<和菓子の話 011>
今年で7年目になる本和菓衆。
何かしら新作なり新しいコンセプトを発表し、
和菓子界ではそれなりに注目される機会なので、
一発ブチかましてやるかとスカンクの如く狙ってはいる。
ただ、そうそう毎年毎年いいアイデアが浮かぶわけでもない。
というか、ぶっちゃけ枯渇気味である。
本和菓衆2019は「NOT COOKIE」という商品を発表した。
まあまあナメたネーミングだ。しかし、私が常々言っているセリフでもある。
とある百貨店催事を終え、自宅で奥さんとデパートで買ってきたクッキー缶を食べていた。
「クッキーはこの価格でじゃんじゃか売れてくんだって。うちの煎餅だってクオリティーじゃ全然負けてないのに、この価値、認識の違いって何だろ?」
https://note.mu/princeofsenbei/n/nda2bc11cc73e
とまあ、いつも通りの会話である。
そこからどういったかわからんけど「本和菓衆のネタもないしな〜」
「じゃあ、いっそのことnot cookieなんていいんじゃない」
「おおおっ いいねそれ!!」という流れで生まれたw
商品内容的には以前に試作していた日本のマチュピチュと呼ばれる揖斐春日の傳六茶園さんのほうじ茶を使ったせんべいを入れたくらいで、そんな新しくはない。
http://www.denrokuchaen.jp/index.html
あとは普段の商品を詰めてある。
缶を選ぶときになんとなく買ったクッキー抜き型の富士山が玉子せんべいにええ感じでうまいことハマったのも良かった。
これまでの田中屋の新製品として発表する商品としては圧倒的に「楽」したものだ。
一生懸命試作もしてない。あれこれ試行錯誤もしてない。
私の中でそれが苦もなく売れてくのにちょっとした罪悪感があるのも事実だ。
おかげさまで一週間分の在庫が4日半で完売。
実は、なんとシールや商品説明の紙など揃ったのがイベント開催の4日前という超ギリギリ。
デザイン担当のせせちゃん、まなてぃさんにはご迷惑おかけしました。
正直販売前はあまり期待してなかったこともあり、お客様にも迷惑をかけてしまった。
反響見て直前に缶を50個増やしたんだけど、どうしょーもないっちゃどうーしょーもない。
ただただ有難いなと思います。
NOT COOKIEの狙いの第一はせんべいの価値は高いって思ってもらいたい。
クッキーの名前を出すのは卑怯だけど、これくらいインパクトがないと伝わらないかとも思う。
あと、なんだかんだと言って同業者へのメッセージでもある。うちの煎餅、安い安いって嘆いてるだけじゃダメだぜ、動こう!
続く)