<ものづくりの話 宝の露>

<ものづくりの話 020>
毎年年末に宝露せんべいを作る。
宝露せんべいは「ぼうろ」と読む。
宝尽し文様が12種類、打ち出の小槌、米俵、七宝、千両万両小判、丁子、隠れ蓑、隠れ笠、金嚢、宝鍵、宝巻の形の可愛らしさにズッギューンきた。
昭和3〜40年代に作られた人形焼の型を倉庫で発見したのがおよそ8年前。
人形焼ではなく、なんとか煎餅にしたいと思った。
2012年末に迎春用のお煎餅としてデビューしたが、ぶっちゃけ不味かった。
ぼうろぼろだった。
その時はその時で最善を尽くし、全力でやった。
言い訳なんて山ほどできる。
若い職人さんたちに言いたい。
心配すんな、うちも昔は不味かったと。

一昨年は一昨年でいや〜オレも腕を上げたもんだと自画自賛していた。
昨年末の宝露せんべいは今までとは全く別物に仕上がった。
ほとんど何も変えていない。
ただ一つ乾燥焼きの方法を変えたのである。

去年のバレンタインにチョコとピーナツのお煎餅 かささぎのをリリースした。
この経験が活きた。
やる直前にあばれはっちゃく閃いた!のである。
過去のリンク 新商品開発
https://note.mu/princeofsenbei/n/n6cdef21c9519
「第2は素材をより深く知るため!
新しい素材を使い、製法を工夫することによって
今までの商品がよくわかってくるんです。
同じものを同じように作り続けてたら絶対にわかりません。
新しいものを作ることによって今までの商品が美味しくなることは
かなりの割合で経験しました。
逆にこれが起きない商品開発は無意味かもしれません。」
引用終わり。
これを実際に目の当たりにできた人もいるんじゃないかと思います。
ね、変わるでしょ!

田中屋せんべいの伸びしろはまだまだあるんです。
こういうことがあるから煎餅屋は楽しいんです。

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