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この秋のプレイリスト 2 【星野源 恋】

夜の散歩が日課になっている。
ようやく気候も秋らしくなり、これまでウォーキングのために日中にイオンに行ったりしていたが、夜歩いて程よく汗をかいて、シャワーを浴びる気持ちよさを味わうと、そっちのほうが無駄な買い物もせずによいので、健全だと思う。

熊本の実家はまあ田舎で、駅まで徒歩5分の場所でありながらも、街灯も少なく少し離れた商業施設だけが爛々と明るいような場所だ。
元々は熊本市内に住んでいて、ここは祖父母の暮らす家だったが、熊本地震から数年経ったあたりで両親と犬もこっちで暮らすようになった。
なので知っているようで知らないような、そんな場所なのだが、近所から国道まで繋がる陸橋があり、ぼちぼちの車通りと広い歩道があるので、夜間で真っ暗でも安全に歩く事ができる。
夕方には近くの高校生たちが、部活動で走り込みをしたりしている。
ここ最近、食後に1時間ちょっとこの道を歩き、音楽を聴きながらPokémon GOをしたりしている。我が家もそうだが、田んぼに囲まれた田舎とはいえ、住宅地でもあるので、家々の灯りがそれぞれの生活を伝えてくれる。

僕はとても単純な男なので、好きな人の好きな物は大抵好きになる。
正確に言うと、なりたいのかもしれない。
もちろん、元々好きなパターンもあるけど、影響されてよく聴くようになることは多い。
その人が好きだから好きなのか、好きなモノ、好きなコトが一緒だから好きになるのか、わからない。最終的にそんな理由もどうでも良くなるのが、好きと言うことなのかもしれない。
自分のプレイリストの中に、いろんな好きを散りばめて撹拌する。歩きながら、それを摂取する時間が今1番楽しい。
ポケモンを捕まえるのも忘れるくらいに。

歩き続けて、本屋にたどり着いた。
一冊の文庫が目に留まる。
「國府先生、まさか哲学書で涙するとは思いませんでした...」若林正恭(芸人)

\PayPay♪/

哲学書なんか読んだことない。
でも好きな人がいいと言ったものは、多分好きだと思う。


10月の夜風が心地よく身体を包む。

イヤホンから星野源の恋が流れてきた。
流行りに流行ったし、いろんな思い出もある曲。
「営みの街が暮れたら色めき 風たちは運ぶわ カラスと人々の群れ〜♪」
陸橋から見える景色と歌詞がリンクして心地よい。(ちょうどいのちの車窓から1読んだばかり)
誰かが誰かを想っている温もりが窓のオレンジ色から漏れ出ている。

人も車も通らない、陸橋が僕のステージになる。マイクもアンプもない。
月明かりと営みが僕を照らす。
近所迷惑にならない程度に、口ずさみながら覚束無い恋ダンスを踊ってみた。


⭐︎今日の一曲⭐︎
星野源 - 恋

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