おいしかった思い出のチョコレートバー

私の幼少期、両親は菓子の類を

あまり与えてくれませんでした

せがんでも買ってもらえないし

両親が二人とも全くと言ってよいほど買ってきません

チャンス無し

そんな中、たまのお中元はナイスな出来事

食べなれないクッキーや飲みなれないカルピス!!

そういった食べ物、飲み物を渇望しているので

喜びも強烈 いつでも歓迎 贈り物

 ある時親戚が訪ねてきて その手には手土産!

見れば個包装になった何らかの菓子のようです

親や兄に紛れ、見慣れない菓子を手に取り包装用紙を開きました

太めのチョコレート?・・・だろうか

一口食べて・・・おいしくてびっくりした!!!よ・・・

太めのチョコの中は層になっててサクッとして

ほろ苦い甘い味・・・

おいしさで思わず一気に2本食べました

もっと食べたい・・・

しかし食卓上のチョコ菓子は在庫ゼロになっていました・・・

いつか沢山たべよう・・・と心に誓いました

(そんな大したことじゃありませんがね)

私が丁度成人した頃、その時まで忘れていた

例のチョコを思い出しスーパーマーケットに行きました

しかし、あの美味しいチョコ菓子の名前も売っている店も

あるいはメーカーも知らないし覚えてないし誰にも聞く事が出来ません

記憶を頼りに「間違いない あれはきっとスニッカーズってやつだ」

サイズが似ていたので

それまで食べたことがなかったスニッカーズだと内心確信してました・・・

一口食べびっくり!???ち、違い過ぎる!!!

サクッとしてほろ苦いんだぞ!!

ネチっと甘いものではない~!!

次にミルキーウェイを試食・・・「うわ~もっと違う!!」

それからというものもしかして、

スニッカーズの違ったタイプってのがあるのかな?と考えたりして

パッケージが違うのを見つけては試食➡違う!!を色々なメーカーで

くり返し食べました 海外に行く機会があればスーパーに行き

チョコレートバーを片っ端からたべましたが

似たものにすら出会えません 

見かけないチョコバーを目にすると腹立たしさすら覚えるようになりました

「あ~どうせネチっと甘いんだろうな~しかし試さないと・・・」

「違う~!」を繰り返しました

  時は過ぎ私も30代に突入

結婚して価値観も変わり家内の影響で色々な食材を食べるようになり

味覚も成長しました、がその時も頭の片隅には”あのチョコレートバー”

 ある時週末家内と買い物に出た際に家内が

「たまにはこのパン屋で買っていこう 親が昔はこのパン屋が好き

だったんだー」と通りがかりの家の近所のパン屋に入りました

私の両親もそこのパン屋で食パン等買ってきたことがありました

   家内が幾つかパンを選びレジに向かいます

レジ脇にクッキーやフルーツケーキ等が積まれてます

その中に”ミルフィーユチョコ”ってチョコ菓子が並んでいるのを発見・・・

・・・・・・めまいがしました(大げさでなくリアルに)

・・・サイズはスニッカーズより小さいが・・・間違いない・・・これだ

私はあわてて5本”ミルフィーユチョコ”を袋に入れてもらいました

戸惑う家内に説明して店を出た所でチョコを直ぐに取り出しました

包装紙を開けて(思い出した!昔のままだ!)

香りをを嗅いで(変わらない!)

いざ!何十年かぶりにようやく~食べれます~!!

・・・一口!!・・・二口!・・・あれ・・・?

    ふつうだ すごくふつうだ・・・あぁ~美味しいが

       ごくふつうでした

謎だったチョコバー探しの旅はそこで幕をひきました

しかし感無量でした!

そして2本目は、直ぐには食べませんでした

おいしくなかった訳ではありませんが

記憶は美化されてたのでしょう







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