豪快なインディアン
私はアメリカンインディアンの文化や思想が好きで
POWWOW(パウワウ)という彼らの祭りにも何度か行きました
アルバカーキという所の大きなスタジアムに全米各地から
年に1回開催される、踊ったり演奏したりする1万人規模の祭りです
そこで恥ずかしながら単身彼らと踊ったこともあります
とにかく彼らの文化やメンタリティが好きでPOWWOWだけでなく
全米各地のインディアンの集落にも行ってみました
現在の彼らの生活も興味があったのです
・・・しかし旅の初めから彼らの生活圏に御邪魔しても
当のインディアン達には話しかける事は出来ませんでした
私は色々なインディアンの書籍を読み、彼らの近代史を
理解していたし(実質、興味本位ではあるが)彼らの文化を荒らす
利己的な人にはなりたくない、と思っていたからです
インディアンを動物園の動物みたいに考えたくなくて
(今となっては)普通の米国人として触れ合いたかった
だから「すいませ~ん こんにちは!インディアンですよね?~」
って近づけない
だからジェロニモの生誕の家にも行ったし(たまたま見つけた)
”ミス セミノールインディアン選抜大会”にも行ってみたが
気安く話しかけられません
旅は米国国内線の飛行機を使います
勿論、飛行機を使う裕福なインディアンなど皆無ですから
飛行場の搭乗口には大概白人の姿が多いです
ある線ではアジア人は私一人でした
機内に入っても”真っ白”っていったらいけないが・・・
自分の座席に向かうとそこだけ髪の毛が白人とは違う色が見えます
えっ!!!!!!!?黒い頭?
そうです 私の座席の隣がインディアン二人だったのです!
300人は乗っているデカい飛行機に297人が白人で3人が非白人・・・
でインディアンが私の真隣・・・めちゃくちゃ緊張しました
一人は30代の男性 一人は映画にでも出て来そうなシワシワのじいさん
二人とも褐色の肌 大きな鷲鼻 ゴツゴツしたデカい手
おおおおぉ~~~かっこええ~~!!!内心叫びました・・・が
こんな幸運が私に舞い込んでも、やはり物珍しいだけで馴れ馴れしく
話しかけられません
”フライトの道中、インディアンらしい場面に自然と出会えたなら
それでよし 何もなくとも それはそれ”と腹を決めました
私は彼らの事がとても気になりましたが特別な対応等しない様
気を付けていました
そして飛び始めてから1時間も過ぎた頃でしょうか
飛行機が猛烈に揺れはじめました
私は恐怖しました
隣のインディアンの若い方は揺れを楽しんでいるらしく
ケタケタ笑っています が相当な揺れでした そして次の瞬間・・・
私は頭を天井付近収納スペースに強打しました!!
!!飛行機が急降下したせいで体が宙を舞ったのです!!
あちこちで悲鳴が!・・・揺れが収まりました が
凄い数の酸素マスクがブラブラと天井から釣り下がっていて
騒然となった機内の静かさと相まっておかしな雰囲気でした
そしてもっとおかしかったのが インディアンの若い男が
機内で一人ゲラゲラ笑っていたのです!豪快に!
その恐怖の状況を一人だけ楽しんでいる・・・
私はその時思い出しました
インディアンのなかにはは恐れを知らない人々がいたのです
ニューヨークの摩天楼のビル群建設の際
高所作業をビビらないという事で沢山のインディアンが建設に
携わったというのが意外と知られていない歴史としてあるのです
豪快ゲラゲラ笑い でおもいだしました!
そのフライトで彼等インディアンと長いおしゃべりはしませんでしたが
あの恐怖の瞬間を笑い倒したのを目撃できただけで
私は満足しました