”そりゃないでしょ~”1件目 & ”はじめからそう言ってください”2件目
1件目
20代前半 私は長髪でした
インディアン気取りです
ある時、潮時がきたと感じ
プリミティヴな感じから足を洗うつもりで
髪を切ることにしました
アルバイト先に程近い床屋に入りました
中途半端な時間帯だった為 来店客は 私一人でした
店の奥から初老の店主が出てきて 私を着席させ
「随分長いね どのようにしますか?」聞いてきました
「スパっと切ってください サラリーマンのような感じに
仕上げてください」と私
「・・・・・・・・」店主
「????」私
「あの~ そりゃ、ないんじゃないの?」店主
「え?」私
「あんたそりゃないでしょ~ ”1500円カット”で そこまでさせる?」
「確かに・・・」私
「ま、今日は他にお客さんいないからやるけどさ~ふつうやらないよ~」
「すみません・・・」
2件目
私は決めていた
その時まで髪の毛を短く切った事は
私の人生でありませんでした
しかし、髪を短くしたくなったのです
ハリウッド映画の格好いい主人公に憧れて、そして
アルバイト先に突然髪型の変わってしまった私が現れた時の
アルバイト先の人々の反応も見たかったのです
作戦は休日の午後に決行されました
繁華街の床屋に入りました
平日の午後 客は少なめです
優しそうなおばちゃんが接客をしてくれました
が、私はいつもと違う初めての髪型にするため
間違いがあってはいけないと 少しナーバスになっていました
おばちゃんに注文し、髪を切り始めました
ハサミで丁寧に時間をかけて作業してくれます
私の頭の中は翌日のアルバイト先の人々の反応でいっぱいでした
➡うわ~~~?誰かと思いましたよ~~
髪型違うからわからなかった➡ みたいな
”しかし丁寧なのは良いが、やけに時間かかっているぞ・・・何故だ?”
私は疑問に感じ始めました もっとガ~~っとやって終わると
思っていたから
・・・鏡を見ると あれ?”ハリウッド”というより
”大工の親方”
です
・・・まずい・・・ハリウッドじゃない・・・何故だ~?
・・・様子を見るか…どうす・・・
「は~いおまちどうさまでした おわりで~す」
えっ!!??「あの~すいません」
「はい ・・何でしょう?」
「髪の毛もっと短く切ってもらえません?
これじゃ 大工の親方さんみたいで」
「え~?だってお兄さん はじめに”角刈り”って
おっしゃったでしょう?それが”角刈り”よ~~?」
”し しまった!!!~~ナーバスになってて言い間違えた!!!~~~~
だからハサミで丁寧に切ってくれてたんだ~”
「あの、スキンヘッドっていうんですかね・・・それで良いんですが・・」
「!!それならはじめからそう言ってください
直ぐ終わったのに!!! 」
おばちゃんはバリカンを直ぐ出し
ホント驚くほど 直ぐ終わりました
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