雨男
私は雨男です
困ること多数ですが
場合によっては使えます
以前の記事で触れましたが、私は前職 接客業をしていました
東京のオフィス街にある写真のプリントをしたり
ラミネート加工 俗に”パウチッコ”と呼ばれる
書類を防滴に出来るフィルム加工等をする会社です
ある日 明らかに不機嫌そうな初老の男性が店に入ってきました
他にお客さんはおらず、店員も私だけ
「おい これ色紙にコピーしたあとパウチッコして」
と高圧的スタートダッシュ早っ
「色紙の色の方は?」
「なんでもいいよ~!適当に緑っぽい色」
「・・・そちら原稿を色紙にコピーしてパウチッコですね
原稿がちょっと小さいみたいですが拡大コピーいたしますか?」
お客さんの手には料理のメニュー的な紙が握られています
が、それにしては小さい
「はぁ~?拡大?大体大きくなってりゃ良いよ~!
早くして!」
”急いでいる”というより ”イライラしている” って感じです
「・・・かしこまりました 少々お待ちください」
私は急いで若草色のA4紙に お客さんから預かった原稿を
拡大コピーし 出来栄えを確認してもらいました
すると「こんな大きくなくて良いよ~!大き過ぎだよ!」
私「・・・・・・・・・・・・・・」
私
「一回り小さいサイズですね・・・」
初老
「!!良いから早くして!!」
「・・・かしこまりました!」
高圧プレー畳みかけっす
「・・・お待たせいたしました コピーしてラミネートしました」
「・・・おい!こんな透明なフチいらないぞ!」
「このフチがないと水などに濡れた際、隙間から水が・・・」と私説明
「わかったから~ フチをギリギリ細目に切ってきて!」
「はい 少々お待ちください・・・」
「・・・お待たせいたしました こちらフチ細目に・・・」
初老の方「7枚」
私「はい?」
「全部で7枚要るんだよ!!」
「 あ、 ありがとうございます 少々お待ちください~」
数分後
「 お待たせいたしまし・・・」「まったく遅いよ作業が!
時間ばっかりくって~こっちは急いでるのに~
で、全部で幾らぁ~?」
「え~っ 合計で 1088円です~」
領収証書いて 宛名無しで
あぁ~あ~全くよ~~」
その初老の方はまだまだ不満足なのかブツブツ言いながら
会計を済ませ出口へ向かいました
自動ドアの前に立った瞬間
ザ~~~~!!!ザ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!
まさに”バケツをひっくり返したような”突然
雨が降り出しました
私もびっくりしました
すると初老の男性客が大きい声で
「あ~あ~っ!作業が遅い誰かさんのせいで
雨降ってきた!帰れなくなっちゃったよ~あ~あ!」
流石にイラっときたので
「あの~お客様 これ 天罰でございます」
・・・って頭の中では考えました が
「ただいま店舗の貸し傘お持ちいたしますので・・・」
ちゃんとしましたわたくし
で、最後の対応が良かったのか
傘を渡そうとしたら
「俺の車はすぐそこだ!どっちにしろ
お前が濡れちまうじゃねえか 傘はいらねえよ!」
微妙な優しさを滲ませて店を後にしました
雨が私に味方してくれたレアなケース
昔のアニメで”太陽の子エステバン”ってありましたが
ああいう雨降らせる才能なんですね きっと
👆(だとしても あまり嬉しくもない)