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【独立・起業のリアル】<破の章 No.09>自身の身軽さと心身ともに健康であること

 熟慮を経て決めた独立・起業のプランをもとに、どのタイミングで実行すべきか、慎重に捉えておく必要があります。まず大切なのは、仮に失敗したときのことを考えておくべきだという点です。

 経済産業省の調査では、独立・起業した事業主が一年後に事業を継続している生存割合は七十二%だと言われています。ですから、出口(EXIT)として、どう自分の身を処するかをしっかり腹づもりしておく覚悟を備えておかねばなりません。

 誰しも成功を夢見て独立・起業するわけですが、一方で成功する確率は「万に一つ」というのが現実です。それを思えば、起業後の撤退を先んじていろいろと考えておくことも、あながち無駄ではないと思います。

 なるべく独身か、既婚者であってもパートナーが新しいスタートを手助けしてくれるようであれば結構な話ですが、小さなお子さんがいるような家庭を背負っての独立・起業は、より慎重に決断しなければなりません。

 繰り返しますが、独立や起業は成功よりも失敗の確率のほうが、遥かにまた想像以上に高いのが実情です。ですから、自分のポジションを身軽にして、今後の生活に余分な負担がかかるのを極力避けておく必要があります。具体的に生活費を含め、出費を最小の状態にしておくことが肝要です。私生活において生活苦に追われていたり、雑多な面倒事ばかりに気を取られていたりしては、肝心なところで事業の正しい判断と注力が行えません。また、私生活からくるストレスは、心や体を壊す原因にもなりかねません。

 独立や起業をして、事業を続けていくには、先ずもって心身の「健康」が何よりも大切です。スタート時の資金の大切さと同等に、自分の心と体の健康には本当に細心の心配りが重要だといえます。「心身一如」といわれるように、「心」と「体」の健全さは一つのものと捉え、どちらが欠けても事業の継続に支障をきたします。独立や起業する前から、自分の心と体の健康には十分留意しておきたいものです。

 もし、このことに不安が多く、自信がなければ起業以外の自己表現・自己実現の途を探してみるのも一つの選択です。独立や起業してこれまでと異質の新しい環境に身を置くことは、ストレスのマグマの真ん中に身を置くことと同じなのです。

 夢を追うばかりではなく、失敗したときのことを考えておくことを疎かにしないで歩みを進めていくことも、賢者の選択の一つだと考えています。

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