【はじめに】正しいことの重要性に気づく
筆者は独立・起業することは何かと問われたら、「自分の夢・志を実現する行為の入口である」と以前からお伝えしてきました。人は誰しも歩む人生行路のなかで、何かをしても何もしなくとも、後悔というものは付いて回ります。また、何事もやってみなければ分からないことも事実です。
物事には「正しい」ことの重要性に気づかないことが多くあります。例えば、スポーツや芸術の世界なら、自分本位でがむしゃらに練習に明け暮れることよりも、練達のコーチやその道のプロの助言や指導を受けたほうが、良い結果に結びつくことは誰しも明白な事柄です。ですから、正しい独立・起業も同じ解釈ができるものと、筆者は強調しております。
一方、独立・起業にトライアルする人が、どれだけ事前に関連する情報の収集やリサーチなど、様々な準備に心を配ってきたか、良き指導者(メンター)に恵まれているかなどがスタート時に問われるのです。
独立・起業を夢見て、それを目指す人はこんにち想像以上にたくさんおられます。SNSを検索していると、本当に数多くのアプローチが散見されております。しかしながら、独立・起業のスタートが実行できるか、成功するか否かの要因は多岐にわたります。そこで筆者の長年の実践経験と知見からメッセージとしてまとめますと、究極的には次の五点が挙げられます。
一、仕事(働くこと)が何より好きな人
二、人との交流(お付き合い)が好きで、誠実な人
三、何をもって独立・起業するかというテーマと予備知識がある人
四、気力・体力とやり切るだけの覚悟がある人
五、学びの大切さと謙虚さを理解している人
詳しくは本書『若きアントレプレナーに贈る 独立・起業の序破急FINAL ー新しい自分の形への挑戦ー』(塩原勝美著/オーズ編)の「破」の章でふれますが、これから独立・起業をスタートする前に自己観照に徹し、軽々しく独立・起業における成功を夢見ることなかれ、と切望しております。