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【独立・起業のリアル】<破の章 No.13>自身に算用・始末・才覚の有無の確認を
江戸時代、商都であった大阪での上方商人は「儲けること」を至上命題として、商人道を徹底し、丁稚・手代というプロセスのなかで、商い(今でいえばビジネスというもの)を体で覚えることを要求してきたといわれています。その基となるのが、「算用」「始末」「才覚」の三項目です。
【算用】
一、 物事の損得に鋭敏に反応する能力
二、 商いをするにしっかりとした根本を押さえた思考で臨む姿勢
三、 そろばんに合う、合わないを計算しながら事業、商売を進めること
【始末】
一、 物事の始めと終わり。始めから終わりまでの細かい事情、または成り行き
二、 物事の締め括りをつけること。後片付け、処理をすること
三、 浪費に気をつけること
【才覚】
一、 すばやく頭を働かせて、物事に対応する能力。知恵の働き、機転
二、 工夫すること。また、すばやく頭を働かせて、物事を処理すること
三、 学問の力。学識、才学
これらの三項目をまとめると、順序からして「利益をしっかり得ること」、次に「倹約しつつ、必要なカネは惜しみなく使うこと」、最後に「先を見て頭を十分に働かせること」が求められると思います。
筆者が本音として申したいことは、皆さんが「いつかは自分も……」と独立・起業を考えている人が本来持ち得ている才能のなかに、少なからずこれら三項目を理解し得るだけの「起業家としての芽吹き」の有る無しが、事業における成功か失敗かの重要なターニングポイントである気がします。ぜひ、自問自答することをお勧めします。