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鹿児島県知事選挙、公開討論で見えた現職と新人の差
公開討論での現職と新人の差が歴然
6月19日(水)MBCにて、特別番組「鹿児島の未来 誰に託す? あす告示 県知事選生討論」が放送されました。その討論を視聴した感想を、複数回に分けてnoteにまとめたいと思います。
この討論番組に出演したのは、現職の塩田康一鹿児島県知事、新人で元自民党県議の米丸麻希子氏、そして同じく新人で元看護師の樋之口里花氏の3名でした。討論テーマは、新総合体育館、少子化・子育て、川内原発運転延長など多岐にわたり、様々な意見が交わされました。
現職を相手に、女性候補が2人もチャレンジする展開で、しかも米丸氏は自民党の県議を辞めて知事選に挑戦するという覚悟に、ある意味期待していたのですが。しかし、手元の資料をほぼ見ることなく堂々と回答する現職と、その都度下を向いて原稿を読んで回答する新人2人。新人の回答はその内容にも疑問符がつくものばかりで、行政知識や経験、政策の実現性などにおいて、現職と新人の差は歴然でした。
新総合体育館について明確な回答ができない米丸氏
まず、マスコミが今回の争点の一つとして喧伝している新総合体育館についての討論では、現職の塩田知事が「検討委員会で規模等を県大会や全国大会を開催できる必要最小限にまとめてもらい、場所は、県内各地からのアクセスの良さなどさまざまな観点から、ドルフィンポート跡地が最適であるとされている。」と発言。
鹿児島県が令和4年3月31日に発表した「スポーツ・コンベンションセンター基本構想」の選定経緯によると、確かにさまざまな観点からドルフィンポート跡地が候補地として選定されたことがわかりました。
![整備予定地の選定](https://assets.st-note.com/img/1719293915908-owwDj5osEr.png?width=1200)
![土地利用・配置計画(イメージ)](https://assets.st-note.com/img/1719294034126-LsUEe0M7S2.png?width=1200)
専門家らによる検討委員会で1年以上かけて議論し、別の検討委員会でも桜島の景観への配慮などが議論され、しっかりと時間をかけて、必要な手続きを踏んできたと思われます。必要な情報は県HPにて公開されており、情報の透明性も確保されているようです。なぜマスコミは景観や物価高騰などによる事業費の増額ばかり取り上げるのか。もう少し事実に基づいた、中立な報道をして欲しいものです。
また、塩田知事は景観・防災対策・財源についても次のように述べました。「景観については景観ガイドラインを定めて、それを遵守すること。もちろん防災の観点もしっかりと。また財源も100億円の県有施設整備のための基金の活用しながら計画を進めていく。もし計画を見直すならば、どれくらいの規模のものをいくらで、どこに整備するのか示していただきたい。」
ちなみに、景観ガイドラインについても県HPに公開されています。
![鹿児島港本港区景観ガイドライン~たたずみの場・のぞみの場をつむぐ人,めぐりの路が織りなす風景~【概要版】](https://assets.st-note.com/img/1719294211474-owSDq9Y7DT.png?width=1200)
それに対して、米丸氏は「計画を見直し、ドルフィンポート跡地は地元民や観光客で賑わう場所にする。多様な人が集まることで、回遊性が増し、経済効果が上がる。規模の適正化、利用範囲の再検討、財政支出の優先順位を見直す。」と述べるにとどまり、具体的な考えや検討プロセスを示しませんでした。
計画の見直しを主張するならば、塩田知事の言うとおり、その後の具体的なビジョンを示すべきであり、経済効果を上げる活用策についても具体的な提案が求められると思います。米丸氏はドルフィンポート跡地への体育館建設反対というワンイシューで注目を集めたにもかかわらず、その肝心の代替案は抽象的で、察するに具体的な案はないという印象を受けました。
(次回に続く)