早帰りを事後手紙で報告する学校
台風が多いこの季節に思い出すことがある。
我が子が小学生の時代は、保護者への連絡はほぼ全家庭が自宅固定電話の連絡網だった。
娘が一年生のある日、台風が近づいているという理由で、児童は早帰りになった。
親が仕事をしていて、普段から放課後は学童へ行くことになっている児童は良い。
しかし、普通に家に帰ることになっている家庭の場合、子供が学校へ行っている間に、親も買物や役所や歯医者や実家の親のサポートなど予定を入れていることがある。
なのに、その日は連絡網で連絡の取れていない児童も下校させた。
娘も私が出掛けている間に帰宅したが、インターホンを押しても応答が無く、家の周りをウロウロして「おかーさーん…おかーさーん…」と呼んでいたようだ。
たまたま外で庭木の世話をしていた前の家の奥さんが娘の声を聞き、家に来て声を掛けてくれた。
おばちゃん家で一緒にお母さんを待とうね、と保護してくれた。
娘の予定の帰宅時間に間に合う時刻に戻ると、玄関ドアに前の奥さんの字で
「〇〇ちゃんをお預かりしています。戻ったらお迎えに来てください。」
と貼り紙がしてありすぐに迎えに行った。
「上にあがって〜って言ったんだけど、ここで良いって言って。。」
娘は玄関にランドセルを背負ったまま座っていた。
本当に前の家の奥さんが見つけてくれてよかった、と感謝すると共に学校への怒りが込み上げて来た。
家に戻ると娘が「はいっ!」と学校からのプリントを一枚出した。
そこには台風接近のため児童を早帰りさせますということが書かれていた。
間に合ってないよ。
なぜ、これで良いと学校は思うのだろう?
事後報告だ。
娘以外にもきっと家族がいるはずの家に入れなかった子がいるかもしれないじゃないか。
先生達は恐らく我が子が小さければ親に頼むか学童を利用しているだろうからわからないのだろうな。
留守宅の周りで小さい子がウロウロしていたら危ないから、連絡が付かなかった子は学校に残すなりするべきだ。
何のための連絡網?
翌日私は学校へ行き、校長先生にお話がありますと申し出たが、教頭先生が「私が代わりに聞きます」と出て来た。
急に乗り込んできた危なげな保護者は直で校長先生には会わせない決まりなのだろうか。
仕方なく教頭先生にひと通り話をして、今後同じようなことをしないで欲しいとお願いしてきた。
が、それからまたひと月もしないうちに再び学校は事後報告のプリントと共に児童を早帰りさせた。
2度目の時は私は家に居たので良かったが、学校には呆れてしまった。
1度目の時に、もしも今後同じように帰宅時留守だった場合どうすべきか、を娘と約束していた。
ご近所で在宅率の高そうな家で、安全に短時間保護してもらえそうな家を娘と一緒に考えた。
前の家のおばちゃん、お隣のおばちゃん、同級生の〇〇ちゃん家、習い事の先生宅など、数軒ピックアップしておいた。
それでも誰も居なかった場合に備えて、私の携帯電話番号メモと10円玉を数枚入れた袋をランドセルに入れておいた。
近くのコンビニなどに行き、お母さんに電話をしてくださいと頼むよう話しておいた。
今は緊急の場合の連絡など、もっと便利に確実に届くよう配慮があるのだろうが、念のため、もしもの場合どこに行くか子供と話し合っておくと良いのではないかと思う。