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第2章 第12話 熱意のカワウソとの出会い



ある日、ガウデは川のほとりに立ち、仲間たちが泳ぐ様子を眺めていた。



「ガウデ、泳げるのか?」猿が冗談めかして聞いた。



「うーん……正直、自信がないんだ。」



ガウデは水を見つめながら、森の中では得意なことが増えてきたが、どうしても苦手なことに挑戦する気になれなかった。



「泳ぎって難しそうだし、僕には向いてないかも。」



そんなガウデの様子を見ていた動物たちは、みんな優しく微笑んでいたが、どこか挑戦しない彼に対して期待しつつも少し心配そうだった。



すると、川の向こうから勢いよく飛び込んでくる生き物がいた。

「イェーーイ!!」



水しぶきをあげながら楽しそうに泳いでいるのは、カワウソだった。





カワウソは水から飛び上がりながら、ガウデに向かって元気に声をかけた。



「やぁガウデ!どうしたんだ?そんなに深刻な顔して!」



ガウデは少し恥ずかしそうに言った。



「実は、泳ぎに挑戦したいんだけど、うまくできるか不安なんだ。」



カワウソはにっこり笑い、「不安なんか気にするな!」と言いながら、岸に上がってガウデのそばに座った。



「熱意さえあれば、何でもできるようになるよ!何度でも挑戦すればいいのさ!」



ガウデは驚いた。「熱意?」



カワウソは大きく頷きながら言った。



「そうさ!僕なんて最初は溺れてばかりだったけど、何度も何度も挑戦したんだ。そのうちにコツがわかって、今じゃ川の達人さ!」



ガウデは少し考えた。



「でも、僕にはそんな情熱、あるかなぁ……?」



カワウソはガウデの肩を軽く叩きながら言った。



「大丈夫さ、やってみる気持ちがあれば、それが熱意の第一歩だよ!」




カワウソに励まされたガウデは、意を決して川に足を踏み入れた。



「うわっ、冷たい!」



カワウソは笑いながら川に飛び込んで見せた。



「最初はみんなそんなもんさ!さぁ、深呼吸して、手足を動かしてみよう!」



ガウデは言われた通りに動き始めたが、最初はうまくいかなかった。



「うわぁ!沈みそう……」



カワウソはすかさず横について励ました。

「いいぞ!その調子!大事なのは、やめずに続けることさ!」



何度も試行錯誤を繰り返しながら、ガウデは少しずつ水の浮力を感じ取ることができるようになった。






時間が経つにつれ、ガウデの泳ぎは少しずつ形になっていった。



「やった、少し浮けるようになったかも!」



岸から見ていた仲間たちも拍手しながら応援した。



「すごいよ、ガウデ!」



カワウソはガウデに向かって言った。

「ほらな?最初から完璧じゃなくていい。熱意を持って続ければ、必ずできるようになるんだよ。」



ガウデは息を切らしながらも、嬉しそうに頷いた。



「最初は不安だったけど、諦めずに続けることが大事なんだね。」



カワウソは満足そうに笑った。



「そうさ!熱意っていうのは、やる気を持ち続ける力なんだ。」





その日、ガウデは自分の中に新しい気持ちが芽生えたことに気づいた。

「苦手なことでも、熱意を持って取り組めば、少しずつできるようになるんだ。」



川から上がったガウデはカワウソに言った。



「ありがとう、カワウソさん!僕、もっといろんなことに挑戦してみるよ!」



カワウソは陽気に笑った。



「それでこそガウデ!これからも熱意を忘れずに頑張るんだぜ!」



次回「公平さ」
次なる冒険への期待を胸に、ガウデの学びは続いていく。




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