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今時、統合失調症患者でも人生そんなに困難じゃない
医療の進歩
20年くらい前に主治医から、「現代の医療では治せない」というような事を言われた。
ある意味では、20年前には統合失調症はまだそういう病気だったのだろう。
ところで、現在は特に自分は統合失調症で困難な生活を送っていない。
自分の場合、エビリファイという薬を使い始めてから憑物が落ちたように回復し始めた。
今調べたら、エビリファイは日本では2006年に発売されたらしい。
自分が使い始めたのは、確か2011年だった。
要は医療が進歩したから、今ではそれほど困難な病気ではなくなったという事でいいのではないだろうか。
人の話をよく聞く事
自分は特にエビリファイの宣伝をしたい訳ではない。
ただそういう事実があったという事だ。
ところで、実際自分の妄想から抜け出すには人の言う事をよく聞く事が重要である。
自説に固執すると妄想から抜け出せない。
自分には多分幻覚はなかったので問題は妄想だった。
妄想とは結局、自分だけがそう思っていて他人から見れば何を言っているのか分からない状態だろう。
なので、率直に言えば自分の言っている事が間違っていて人の言っている事が正しいという事を受け入れればそれでいい事になるのだ。
そして、その為には人の言っている事をよく聞く必要がある。
健常者よりも堅固な哲学
そういう訳で、結果的には逆に自分は健常者よりも堅固な哲学を手に入れたようである。
こう言っては何だけど、健常者はメンタルについてそれほど深く考えていない。
健常者は、そもそも精神障害というものについての認識はなくても構わないものだ。
だから、人間のメンタルがおかしくなるという事について健常者はイメージができない。
という訳で、健常者からのアドバイスは自分達には基本的に役に立たないものである。
自分達が信用していいのは、精神医療従事者のアドバイスぐらいだろう。
そうして自分は、結局健常者には理解できないほどの堅固な哲学を築くことができたようである。
統合失調症サバイバー
なので、統合失調症という病気にかかってそこから抜け出す(現時点では寛解)という事は、健常者にはイメージできない面倒な思考の手続きが必要になる。
とりあえず世界とか社会がどうして成り立っているのか等について根本から考え直す必要がある。
そういう哲学とか世界観がなければ統合失調症の妄想からは抜け出せないだろう。
自分は現在統合失調症サバイバーとして生活しているが、ある意味それはそれだけマニアックな情報を持っているという事になるのだ。
つまり、回復してきた今となっては健常者が知らない経験や情報を持っているので、結局それを何の為に使うかという事が重要になってくるのだろう。
そこまでくれば、統合失調症患者にとって人生はそれほど困難なものではないと自分は思うのだが。