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徒然『白いドレスと赤い家ーリカちゃん』

その名は香山リカ、1967年に登場したリカちゃん人形に当時の小学生は夢中になった。あれから57年、令和の今、リカちゃんは着せ替え人形の域を超え、どうやらインフルエンサーとして活躍しているらしい。

小学生の頃、買ってもらったうちのリカちゃんも、茶色のカールがかった長い髪、クリクリした目とちょっと上を向いた鼻、すべてが愛らしかった。でも、当時十分な着替えを買ってもらえなかったのだろう。ある日、学校から帰ってくると、母が作った小さな洋服が何着も机の上に置いてあった。
中でも、もう着れなくなった私の白いブラウスの袖を利用して仕立てられたドレスは、首から胸、腰から背中にピンクのリボンがあしらわれ、上品で可愛く素敵な一着だった。

その後、赤いビニール製のリカちゃんハウスを買ってもらった。持ち運びもできるその家は、開けると緑色の椅子2脚とテーブル、奥にはドレッサーがあった。白いドレスを着たリカちゃんはその日から素敵な家で過ごすことになった。開けるとヨーロッパの香りがするようなしゃれた家だった。

今、本棚にちょこんと座ってる白いドレスのリカちゃん、もう赤い家はないけれど、愛らしさは変わらない。

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