神戸ジャズの中、サックスを吹いてた友達を思う
北海道東部の小さな町に、父親の転勤で中学の2年間、住んだことがある。誰一人知らない土地で、それでも少しずつ友達ができた。「加代」という少し大人びた子もその中の一人。加代は吹奏楽部でサックスを吹いていた。
その後、私は札幌へ引越したが、加代とはきっと文通でもしていたのだろう。前後の状況は全く覚えていないが、高校生になってから、札幌開催の
渡辺貞夫(ナベサダ)のコンサートに二人で一緒に行った記憶がある。ジャズなんて全く縁遠い私ですら、ナベサダは知っていた。当時、男性化粧品のCMソング「カルフォルニア・シャワー」がヒットしていたからだ。生の演奏はそれはそれは素晴らしかった。
それが私とジャズの出会い。その後、何度か触れる機会はあってもそれだけで終わっていた。ジャズ発祥の地である神戸に長く住んでいるにも関わらず、だ。ジャズをもう少し身近に感じたいな…と思っていた時、その機会をくれたのは「へんいちさん」。へんいちさんは、3か月前にはじめてNOTEに投稿したとき、いち早く私を見つけてフォローしてくれた方。そのへんいちさんの企画、しかもアテンドいただける「第7回ぐるめぐる神戸」テーマ=ジャズ にこれだ!と申し込み、参戦させていただいた。
それは10月26日。私は神戸元町を少し南に下がったところのJamJamというジャズ喫茶の大音量の中に身を置き、本当に久しぶりに加代のことを思い出した。30分ほどの大人の自由時間を超えて、初めて会った方々と語らう。
そして、ぐるめぐるの最後は、北野坂のSONE、ナベサダを輩出した店らしい。相変わらずジャズはまだまだわからないけれど、初めて神戸の生のジャズに触れながら、懐かしさと心地よさに浸ることができた。
その何時間かの間、終始私の心はあの頃に戻り、加代を思い出した。二人で聴いたナベサダのカリフォルニア・シャワーも。コンサートの数年後に、彼女の家を訪ねて以来、会えなくなった友達。そして、もうきっと会うことのない友達。
加代、貴女は今でもジャズを聴いているのかな。私が今貴女の好きだったナベサダゆかりのお店にいるって知ったら、羨ましいって言ってくれるかな。
以下は「へんいちさん」の大人のぐるめぐるから。へんいちさん、皆さん、素敵な時間の共有ありがとうございました。お会いできなかったHANA父さんさん、次こそ!あ、私は日本酒も大好きなので、第8回も…是非と思っております。