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夢と現実の境、その間が好きだ。今日も微睡んでいた。そんな夕方。

廊下を母が歩き、ドアを少し開けて

「寝てるのか」

いや、寝ているわけではないんだ。この浮遊した時間をもう少し楽しんでいたかった。目が覚めてしまったので、このまま寝るか起きるかの選択を迫られることになった。

母は出かけるらしい。玄関を開ける。

夏らしい鈴虫の優美な声が一瞬だけ聞こえる。快適な室内で気が付かなかったみたいだった。

外は暑いだろうか。網戸にしてみようか、外へ出てみようか、なんて動く気もないのに考えてみる。

今に至る。


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