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#39 「栄養・食事系の取り組みに関するモヤモヤ」

産業保健もやもやハレハレ

この番組では、産業保健についてモヤモヤするけれど、身近に語れる人がいない!そんな孤独な産業保健職と一緒に、現場にありがちなモヤモヤを3人のパーソナリティと共に深掘りしてみます。

「栄養・食事系の取り組み」のもやもや🌥️

よーた 前回に引き続き、もはや特別ゲストなのかわかんないけど、やっぱりまたがーすーさんを呼んじゃいました!

みずえ 呼んじゃいましたよ

がーすー 呼ばれちゃいました〜

よーた ちょっと新しい風があるよね。淀んでない風が

がーすー 今まで淀んでたんですか?笑

よーた 今回のテーマは「栄養・食事系の取り組みに関するモヤモヤ」ということで、まぁ難しいですけどもwww がーすーさんが日頃からモヤっていることを今回もテーマとして取り上げたいと思ってます。まず最初にがーすーさん、どういう時にこのモヤモヤを感じるんですかね?

がーすー 例えば、食堂でヘルシーメニューを出しましょうfeaturing産業保健スタッフみたいな話もや、朝ごはんをちゃんと食べましょうという保健指導とか、あとは、ちょっと調べてくるような社員さんから「こんなことやってるんですけど、どうですか?」とか「ファスティングの効果はどうですか?」と聞かれたときに、どういうトーンで皆さんやってるんだろうなっていうのを聞きたかったっていうわけです

よーた これは難しいね〜

強制せず情報共有くらいのスタンスでいいのでは?

よーた みずえさんさ、産業保健看護職の立場の中で、社食でどんなもん出されてるのかってちょっと気になりはするじゃない、プロとして。その際にあの怖かった先輩たちはなんっつったの?先輩たちは社食をどうしたらいいって考え方を教えてくれたのかね

みずえ ぶっちゃけそういうのはなかったんだけど(笑)でも、私のスタンスとしては、あの社食がいいか悪いかとか、いいメニューがあるかないかっていうよりは、そこでの選び方を共有しませんか?とか。コンビニ食もそうじゃん。コンビニ食も悪なわけじゃないので、じゃあ選び方一緒に考えますみたいなそんな感じではいたかな

よーた なるほどね。その際にさあ、どこまで踏み込むのかって自分で悩んだりしないの?

みずえ 踏み込むって?

よーた 例えばさ、表現の方法もあるじゃない。選び方でも、「こういうものを選んだ方がいいよ」「こういう選び方もありますよ」っていうものもあれば、「これ選んでくださいね!!!」みたいなのあるじゃない(笑)ちょっと強弱があると思ってて。気持ちのスタンスとしても、栄養とか食事とか毎日の行動、食事に関して、どういうところをどうして、どこまでするかみたいな結構悩んだりしない?

みずえ ああ、それね。多分、私は情報提供のスタンスです。こういうことが言われていますっていうのを紹介をして、選択するのはあなたですみたいな。だからご飯食べる前にキャベツの千切り食べなさいとか、そういうことは言わない

よーた 情報共有として偉大なる女王であるみずえさんからお言葉が出しました、みたいな感じになった時に、食べたらいいよって言ってるつもりかもしれないけど、キャベツ食べなさいに解釈されるかもしれないじゃん

みずえ いやいや(笑)言い方は結構気をつけてるかな?自分も立場上をどんなに自分が対等でいようとしたって強く思われちゃうのはね、しょうがないと思ってんの。なので強制はしないスタンスです、とかはかなり気をつけているかもしれないね

よーた なるほど。その強制しないよってスタンスは、様々なスタンスを組織と向き合って、いろいろ出してるからできるようになったってこと?

みずえ あ、そうね。組織にも出すし、あと面談をするのであれば、最初の目的のところで言う。今日はこういう目的でやってますみたいな。がーすーさん、こんな感じでいいんですかね?笑

がーすー 正直、栄養系のエビデンスは難しいってことは勉強すると皆さんわかってくるじゃないですか?それダメだよみたいな話も本当なのかわからないこともあったりするし、そもそもそれをやったことによる悪影響はどれだけ健康的に問題があるのか、すごいファジーな表現で申し訳ないですけど、問題なのかみたいなこともわからないみたいな中で、情報提供してこういうふうに言われてますよね、は良いと思うものの、それだけになっちゃうかなとか思いますね

よーた なるほどね

支障がなければいいんじゃない?

がーすー あとは正直、業務続けてて支障がなけりゃ別にいいんじゃない?って僕は思っちゃったりするので。元気にやれてるなら良いじゃんっていうのが根っこにあるから悩ましいなって思ってて

よーた うん

がーすー 例えばコーヒーしか飲まないっすよみたいな。一時期流行ってたコーヒーにバターを入れてみたいな。実は僕もやってたんですよ。どうだと言われれば、別に美味しくはないし、アウトプットが出ている感はないけれども、別に悪いこともなくて。なんとなくそういうのをやっていることに対して、ちょっと変化を起こしていいなみたいのが実体験としてもあるのでやってるんですよ。それに対して「朝ごはんは食べなさいよ」と言う気にはならない。なぜなら、それは仕事に支障はないだろうし、(欠食を)続けることで明らかな健康有害性もないだろうから。何か発症することがなければ、それを専門職として止めるほどの力のあるエビデンスはないんじゃないかなと思っているので、悩ましいなあと思って。

よーた 悩ましいね

がーすー でもそうすると、面談も「へえ、すごいですね。どうなんですか?」って感想を聞くだけの会話になっちゃうので、それでいいのかな?と思いながら、皆さんどうしてるのかなって気になる感じですねー

よーた いがちゃんどうなの?いつも100キロマラソンしてるいがちゃんは

いが いやいやしてないですよ(笑)さっきのヘルシーメニューの話題は僕も一回やったことがあって。食堂でヘルシーメニュー作ると結構高いんですよ。だから誰も選択しないという話があって。しかもヘルシーメニューって言っても本当に健康になるかよくわかんないし、続かないみたいな話がある。そもそも健康的な食事って何なの?ってよく思う。食事から介入するのはすごいわかりやすいものの「食事のあるべき論」を掲げるって食事の分野では難しいし、持続性がないんですよね。

よーた 

いが 例えばパーフェクト食があったとしても毎日続けるなんて無理じゃないですか?日本人って食事大好きだから、美味しいもの脂っこいものが好きだし、結局は人間の食事に対するこだわり、特に日本人の食事に対するこだわりを考えた時に、食事って介入が難しいし、あるべき論って難しいよねっていう限界もあるので、僕も「まあ別に仕事に支障なけりゃいいんじゃね」って思ってたりはしますね。

よーた なるほどね〜

みずえ これさ、話聞いてると、私たちはみんな同じスタンスっぽいんだけど。モヤモヤするっていうことはそうじゃない保健職もお見かけするって感じなの?

がーすー 例えばデータとして出すことがあって、特定保健指導の問診票でも「朝食はいつも食べますか」という設問があって、「いいえ」じゃなく「はい」の方がいいんだろうみたいな。そういう目的で聞いてるとありがちなのは、とりあえずデータを使って何か出そうとした時に、「いいえ」の人がこれだけいるから「はい」の人を増やそうという時に、それはどうかな?って思っちゃう。

みずえ うんうん

がーすー 食事指導原理主義みたいな人と会ったことはないですけど、そういう施策を取りうると考えたときに、そこに対してどう向き合うか。それはあんまり意味ないからやんなくてもいいんじゃないですか?優先度として下がりますよねって話なのかもしれないんですけど、やっぱそうじゃなくて、一応、目標をパッケージとして示されている特定保健指導の文脈に出てくるってことは、シンプルに言えば、週3回以上は毎日朝ごはん食べたほうがいいんですか?って聞かれることがあるんじゃないかなと思って

よーた はい!🙋‍♂️

いが はい!はい!🙋‍♂️

よーた 順番待ちやばいw

みずえ じゃあよーたさん30秒、次にいがさん30秒。どうぞ

普通に働いてて、普通にワクワクしているならラーメン食いまくっててもいいじゃん

よーた なんか10個ぐらいあって。そもそも食事のエビデンスってめちゃくちゃ曖昧なのよ。調べれば調べるほど、10年前、20年前と言ってること、逆転することは腐るほどあるし。しかもそれは病気じゃない人(健常人)たちの領域にすると、さらにもう超曖昧なのよ。なんでかっていうと、ロビーイング活動をめちゃくちゃするから。シリアル大事ですよっていう団体がめちゃくちゃロビーイングしたから出た研究結果だったりするから、もう何がいいのかわかんなくなるのよ。「朝食大事です」「え、全然大事じゃないから」みたいなのが色々出てくる中で、それをベースに専門家として目の前の人に対して最適な答えを出すことは、医学的な意味ですごく難しいなってまず思うのが1つ。
 2つ目は、いや、そもそもな目の前の人が普通に働いてて、普通にワクワクしているならラーメン食いまくっててもいいじゃんと思ってるわけ。だって好きなんだもんラーメン。誰の権限があってラーメンやめさせることできんだよと思ってて

みずえ 本当だね

よーた で、その次にあるとすれば、いや、「本人は健康害してますと。だけど仕事マッハでめっちゃ成果出します」といった時に、その際にどこまでそれを言うかっていう話。「いや、そもそも仕事できてません、成果も出てません、健康も悪いです」って言った時にどうするのかみたいな。その二つに対してのなんか議論の余地はあるかなっていうことは思ってるんだよね。であと5分ぐらい話すると、、、

みずえ じゃあいがさんは?

いが 測ってましたけど1分46秒でした

よーた いやいや、30秒だったよ??

いが 本当に特定検診の問診票に朝食の項目があるからみんなそこに食いつくんだよね。だから朝食を食べさせようみたいな感じになってしまっている。あと、脂肪1kg7000kcal理論があって、測定されたものとか、そういうあるべき論に基づいてやりましょうみたいのがあるから、なんか本当にこの辺りモヤモヤする人多いなっていう気がしています。はい、30秒!

みずえ おお笑

よーた でいがちゃんそれ何言いたいの?

いが いや、もやもやするよねっていう笑

よーた じゃあ脂肪を持ってるのがよくないよねってこと?

みずえ ううん、減量するときに1キロ減らすのに7000kcal消費する必要がありますっていう保健指導があるけど、違うんじゃないってことだよね

よーた 必要ないってこと?

いが まあ間違ってるでしょ?簡単に言うと。

よーた まあ、でも丁寧に話した方がいいよ。産業保健看護職が割と聞いてるから。間違ってるの?

いが 脂肪1kgあたり7200kcalかな?理屈上7200kcalを、仮に運動とかで消費したとか、摂取カロリーで減らしたからといって、じゃあ確実に1キロ痩せますか?っていうと人間はそんな簡単なもんじゃない。階段に書いてあるように何段登ると何キロ減りますというように、階段を仮に7200kcal分登ったから、脂肪が1kg減るわけじゃない。全て脂肪部分が消えるわけじゃなくて、筋肉や水分が消費されたり、血液中の血糖から消費されたり、様々なことが起きるわけで、理屈上もそもそもありえないのにそれだけであたかも正しいかのようにやってしまうことのモヤモヤ感はある

ヒトの脂肪細胞1kg当たりのエネルギー量は約7,200kcalとなるため、摂取/消費のエネルギー収支が-7,200kcalになれば、体脂肪が1kg落ちるという計算方法

目安なのに正義のように指導しちゃうモヤモヤ

よーた なるほどね。がーすーさんはやっぱあるの?そういうの。

がーすー そうですよね。というか、例えば階段歩いたら何キロ減るよね?それが続けば1キロ減量になるかもとか。7200kcalだから単純計算すればこのぐらい運動すれば理論的には1キロ減るよね?みたいなものが間違ってるって話をしてるわけではないのかなって思うんですよ

よーた なるほど

がーすー 原理主義的に「何キロ減×何か月=何キロマイナス」みたいにやってる人はそんなに多くないんじゃないかなと思うので、目安としてあるのはいいかなって思います

よーた あくまで目安だと

がーすー 因子がいっぱいある中で、体重が減ったから循環器疾患の発症リスクが減るのかは、疫学的にはそうだけど、多分考えすぎちゃうのもあるんだと思うんですよね、シンプルに。エビデンスとか、ロビーイング活動があるって背景まで入っちゃうと、じゃあその論文は誰が書いたんですか?とか、結局企業の人だからそれは言えないとか、そんなことするとまあ迷走するんだろうなっていうモヤモヤがあるっていう

いが ほうほう

がーすー 「根拠がないことをさも根拠があるように言うことに対するモヤモヤ」と、そもそも「産業保健の目的に食事を改善することって優先高くないじゃないかっていうモヤモヤ」が多分ガチャガチャぶつかってるので、なんだかわからんっていうのが出てくると。結局、美味しいものを食べて元気に働けまます、みんなが楽しそうだったら、超ハイカロリーメニューでもよくない?っていう発想が会社側や産業保健職にもあるかもしれない。ただ、そのせいでなんだかわからないけど、血圧が高い人がめちゃくちゃ増えて…みたいなことがあったらどうしようってあるのかもしれないですけど、そう言う感じですかね

よーた でもそうだよね。血圧高すぎる人がいたらさ、いや残業させんなよって思うわけよ。逆にもうさ、会社側の都合からしたら、いや血圧高い人がいてハイリスクなんです。じゃあそれが大義として考えたときに、いや、血圧高いままでいいですよ。でも、残業させませんみたいな。でもいいわけだよね。でも言ってしまえば、そうなった時に今のがーすーさんの二つのモヤモヤってその通りだなと思ってて。そもそも働く人のこの現場に大義はあるのかっていう、それを伝えることのところは、ちょっとモヤっちゃうなって確かに思うよね。うん、ふっくらしてていいじゃん。ダメなの?

いが ふっくらしててもいいよねぇ

よーた 血圧が250でもいいじゃん。なにかあったらしょうがないじゃないけど、なんていうのかな、やっぱり価値観を押し付けてる感があんだよね。

みずえ みんなの話聞いてるとさ、目安なのに正義のように指導しちゃうのがやだなって言ってるんじゃないのかな。エビデンスって言っても、今のところのエビデンスにしかならないのに、さもそれが正解かのように保健指導するのってどうなんだい?みたいな。そんな感じに聞こえるんだけど

よーた なるほどね。

「栄養・食事系の取り組みに関するモヤモヤ」のはれはれ🌞

よーた ちょっとずつ紐解いたところで、ハレハレするかどうかわかんないけど、ちょっと感想言いますか?

みずえ これいけるか?笑

ふわっとした感じでもいいんじゃない?

よーた はい、いがちゃんからいきます。

いが あのね。うん、塩分だけは(控えるように指導しても)いいんじゃないと俺は思う

よーた 笑

みずえ もうめっちゃ個人の感想じゃん(笑)怒られるよ、そんな言ったら!

いが 議論の余地はあるものの、やっぱり日本人が塩分取りすぎなのはまぁ明白なんじゃないかと思いますよ。なので、塩分の取りすきだけは僕は指導することはありだと思うし、まあ気をつけましょうくらい言っとけばいい。それはそんなに間違いじゃないでしょう。そのぐらいふわっとしててもいいと思うんよ俺は。あるべき論って難しいからこそ、少なくとも塩分だけは「敵」っていうのが、僕はそう思って。塩分だけは「敵」だから僕はラーメンのスープ飲むのはほどほどにしてます。そんな感じ。ダメ?なんでみんなあきれてんの?なんでなんで?www

よーた がーすーいきましょう(笑)脂質だけはいいと思ってるとか言うねやめてね笑

厳重にせず、感情を尊重しよう

がーすー そうですね。そうすると大喜利になっちゃうんでですね(笑)僕はやっぱりこのテーマ投げてよかったなと思いましたけど、食事指導を厳密にやる優先度は下げてもいいんじゃないかなって思ったのが1つと。あとはもうエビデンスが曖昧な中で、感情面にも配慮した指導っていうかコミュニケーションをとってもいいんじゃないかなって思いました。だから、本人が「好きですよね〜」ということを拒否(否定)するようなコミュニケーションは控える・避けた方がいいんじゃないかなと学びを得たっていう感じです。

今の基準は絶対ではない

みずえ 私、ハレハレかわかんないんだけどさ。昔30品目食べましょうって言ってたじゃん。あれも正義かのように30品目食べなきゃいけない食べなきゃいけないってみんなやってたんだけど、それも無くなったのよね。厚労省から。っていう事実もあるから、やっぱり今言われてることがね、未来永劫一緒だよとは限らないのを分かった上で、今のエビデンスを紹介するっていうほうがいいんじゃないかなって思いました。

よーた なるほどですね。

いが いい感じ

よーた じゃあ私コメントないです。

いが なしとかある?笑

ちょっとしたお節介のレベル感

よーた なんかでもそうだな。「べき論」で何かやるっていう事じゃなく、本人の価値観とシチュエーションを分かった上で、お節介もあっていいかもしれないなと思うぐらいのレベル感かなというところですかね。

いが お、バランス取ったね。

よーた エンディングお願いします。

みずえ はい。ではこの辺りで締めようと思います。今回も聞いてくださりありがとうございました〜!

全員 またね〜!👋

音声ソース

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