懐郷 -古江にて-
母方の祖父母の墓が鹿屋市古江にある。
もう、11年以上は参っていない・・・。
そろそろ、どこかで顔を出したいと思っている。
つい二週間前、11年半ぶりに鹿児島を訪れるも、墓参する時間は無かった。
それにつけても・・・、
幼い頃から古江はほとんど風景が変わっていない気がする。
Googleマップで現在の様子を見ても、やはりそうだ。
亡き祖母が母に「昔から大隅はほとんど変わらない」と言ったそうだが、祖母の時代における”昔”というから、今から100年ほど前からその光景が変わらないのだろう。
古江には『古江鉄道記念公園』がある。
物心ついた時には、すでに現在の姿で公園となっていた。
駅舎が保存され、駅構内は線路が少しだけ残され、芝生広場のようになっていた。
元々は国鉄大隅線の古江駅であった。
しかし、慢性的な赤字路線だったようで、1987年の廃線にともない、こちらも廃駅となった。
だから、私が生まれた時にはまだ辛うじて現役だったわけだ。
ちなみに、大隅線は比較的遺構が残っている。
古江から垂水まで国道220号線を走っていると、道沿いにかつての高架橋や路盤などを目にすることができる。
すぐ近くには鹿屋港があり、多くの漁船が憩っている。
こちらも私が幼い頃までは、鹿児島港との間に定期船が就航していた。
鹿児島の親戚は、墓参りの際はこの船を利用していたという。
どうやら再び高速船の航路が復活するそうだ。
本当に静かで、無の気持ちに浸れる港町に眠る祖父母の顔を拝みに行く日も近い気がする。
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