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【職域拡大】認定理学療法士・専門理学療法士って実際意味あるの?

日本理学療法士協会が、自らの専門性をさらに高めていくための動機づけとして目指すことを勧めている『認定理学療法士』と『専門理学療法士』について説明していきます!
この記事を最後まで見ていただけたら、
認定・専門理学療法士を自分自身が取得すべきかどうか
がわかります!
ぜひ最後までご覧ください!


認定理学療法士・専門理学療法士ってなに?

日本理学療法士協会によると、認定理学療法士・専門理学療法士とは『登録理学療法士』を基盤とし、自らの専門性をさらに高めたいと考える理学療法士への動機づけとなる資格です。

認定・専門理学療法士制度は、より専門性の高い臨床技能を有する“スペシャリスト”、いわば個性の育成プログラムとされています。

認定理学療法士は臨床実践分野において秀でている理学療法士とし認定看護師教育を模倣した仕組みとされています。
専門理学療法士は学問的指向性の高い理学療法士としてリハビリテーション医学会等の専門医制度を模倣した仕組みとされています。

認定理学療法士は21分野に分かれており、それぞれの分野で定義が決められています。
専門理学療法士は13分野に分かれており、認定と同様に分野ごとで定義が定められています。

それぞれ取得するには『登録理学療法士』の取得が必要であり、『登録理学療法士』の取得には
・前期研修 座学(33時間) / 
    実地研修(48時間)
・後期研修 座学(76.5時間)/ 
    実施研修(3年)
計最低5年の期間が必要となります。

まずこの時点で心が折れる理学療法士が何人いるのでしょうか?
それでも鋼のメンタルで修了し、いざ認定・専門理学療法士の取得に取り掛かります。

認定理学療法士の取得要件
・指定カリキュラム eラーニング(18時間)
・臨床必須カリキュラム 必須(22.5時間)/
 選択(7.5時間)
・日本理学療法士学術研修大会の参加
・上記修了し認定試験の合格

専門理学療法士の取得要件
・指定カリキュラム eラーニング(18時間)
・ブロック学会参加
・都道府県学会参加
・日本理学療法士学会連合の会員団体が主催の学術大会での発表
・査読付き原著論文の業績
・上記修了し口頭試問の合格

ぼーちゃんも認定理学療法士は持っていますが、前項制度の際に取得していたため、ここまでの時間はかけていなかった気がします。
ここまで辿り着いた理学療法士は生粋の理学療法士、協会のいう“スペシャリスト”というに相応しい理学療法士になりそうですね!

日本理学療法士協会HP
認定・専門理学療法士分野一覧
認定・専門理学療法士制度

実際どんなメリットがあるの?

さて、前述したとおり、認定・専門理学療法士には相当な時間と労力、ダイヤモンドのメンタルが必要であるとお判りいただけたと思います。
それでは、皆さんおまちかねのメリットについて記載していきます。

キャリアアップ

認定・専門理学療法士の資格を取得することで、昇進や給与アップの機会が増える可能性があります。企業や病院からの評価も高まります。

専門知識が深まる

当たり前ですが特定の分野において深い知識と技術を習得でき、自己成長を促進します。これにより、理学療法士としてのスキルが向上します。

信頼性の向上

認定資格は、患者様や同僚からの信頼を得るための強力な証明となります。専門知識を持つことで、相談や治療の依頼が増えることも期待できます。ただし、ぼーちゃんの内観としては患者様からの信頼を得ているのは、資格取得をするために費やした知識や経験であり、資格そのものではないように感じています。

理学療法士の社会的地位の向上

取得者自身にあまり実感はないかもしれませんが、実際問題、認定看護師や専門医を模倣した制度であるため、協会としては、認定・専門理学療法士の増加は、質の向上のアウトカムとなりうる指標のひとつとも言えると考えます。

いかがでしょうか。自分が感じたメリットであるため、もっと他にもあるかもしれませんが、概ねこのようなメリットだと思っています。
「あれ?割に合わなくね?」と思う方もいれば、「いいね!目指す価値あるやん!」って思う方もいるかと思います。

上記には記載していませんが、別の記事にも挙げたように理学療法士は今後専門職でありながら飽和していく可能性がある職種でもあります。
その際に、「自分の得意分野はこれですっ!」と認定資格を交えて言えることは今後の転職活動には有利に働く可能性もあるかな?、とぼーちゃんはちょっぴりは思っています。

デメリットってあるの?

次にデメリットについて説明します。資格取得してデメリットってなんやねん!と思う方、はい、ぼーちゃんもそう思います。意味わからないですよね。笑
でも、実際にデメリットと言えるものはいくつかあると思うので記載していきます。

時間と費用の負担

一番大きい要素ともいえると思います。まず、前述したとおり取得にとても時間を要します。それは一つの分野の勉強をする機会を得るという意味ではとても有意義だと思いますが、実際に他の勉強に費やす時間を消費します。また、取得して終わりではなく、資格の更新にも時間と費用がかかります。

例えば認定理学療法士は5年毎に更新が必要であり、
・学術雑誌への投稿(筆頭著者)
・指定学会での発表(筆頭演者)
のどちらかに加え、
・協会が認定した研修や勉強会へ参加し通算100ポイント
・更新時研修の受講
が必要になります。
もちろんそれぞれ受講費や学会参加費用はかかります。

生涯学習制度 認定・専門理学療法士 更新申請マニュアル

過剰な期待

ぼーちゃんは、職場の名札や名刺に『運動器認定理学療法士』としっかり記載されています。最初はせっかく取ったから載せてもいいかくらいに思っていましたが、謎に患者様からのプレッシャーを感じることがあります。ただしメリットにも記載しましたが、しっかりと患者様を納得させられるリハビリが行えていれば対して気にならない人も多いかもしれません。

分野における偏り

これは僕の職場にも起きていることです。ぼーちゃんとしては、理学療法士は必ずしも“スペシャリスト”でなければいけないとは思いません。それどころか、環境によっては偏った知識よりもより包括的に、広い視野でみられる理学療法士のほうが重宝されることもあります。必ずしも認定・専門理学療法士の視野が狭いわけではありませんが、患者様の問題点をより得意な分野に無理やり落とし込んでしまっている方も中にはいると思います。

結局意味あるの?

結局、認定・専門理学療法士は取得する意味はあるのでしょうか?
僕としては“意味はある”とは思います。
ただし、全理学療法士にお勧めするわけではなく、それぞれのキャリアプランによって、取得して得する人、損する人がいると思いました。
僕としては、特に取得をおすすめする人は、

理学療法士としての強みが欲しい人
具体的なキャリアプランがあり、その過程で資格が付加価値となりうる人
職場が認定・専門理学療法士の取得に積極的である人

などが挙げられるかと思います。

まとめ

・認定・専門理学療法士の取得は結構大変。
・資格ならではのメリットもあるがデメリットも明確にある。
・全理学療法士が取得必須というわけではないが、あったほうがメリットになる人もいるため、キャリアプランに応じて検討していく必要がある。


今回も長文を最後まで読んでくださってありがとうございます。
作成して疲れました。が、やはり文字に残すことは有意義と感じました!

また、記事を書きますので応援してくれたら幸いです!


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