#はじこい8話について思うところ
まだ続く。
初めて恋をした日に読む話。ドラマ7話まではキュン要素が毎回必ずあり、それはそれは楽しみにいて観ていたのです。いや、正直言えば、最高潮は4話と5話くらい。話半分で見始めた1話はそこそこで、匡平の心の揺れ動きを丁寧に描いた2話と3話から「あれ、面白いかも」と思い始め、クライマックスの4話「ご褒美ください」5話「元気?」あたりでノックアウト。
そこから、毎週本当に楽しみにして、ユリユリがあんまり出ない6話も頑張って観て、7話は最後のハグで萌え転がり、そして不穏なドキドキを秘めて見始めた8話。
正直、こんなクソ、いや、うんこ、いや、こんな展開は期待しておりませんでした。
ツイッター、インスタなどの感想は「感動した」というのが多いですが、本当か?感動する?ほんと????
このドラマは「ラッキーラブコメディ」と銘打たれ、3人のイケメンに言い寄られちゃう順子が、それでも、どうしても、どうしてもその中の一人にだけ惹かれていくのを止められない感じを漫画では丁寧に丁寧に描いてある。
そもそも、ユリユリが順子を好きになる描写は、あんなに繊細で情緒豊かに展開してたじゃん。
だけど、順子がユリユリに傾く様子を、もっともっと描くべきところに謎の汚職展開。ここ、そういうのいる?
●作り手は山下が好きなの?山下が振られて終わるのは書きたくなかったの?
正直、漫画の山下よりドラマの方がかっこいいとは思う。
でもさ、「気持ちを封じ込める」「そして身を引く」のは、そもそものコンセプトと違うよね?
3人から言い寄られて、でも鈍感でなかなか気がつかなくて、だからこそ男たちは頑張ってストレートに気持ちをぶつけてきて、そこから順子が能動的に誰かを選ぶからこの逆ハーレムが活きてくるわけで。
そこから突如一人だけ自己都合でフェードアウトされたら、しかも人生曲げてまで誰かのために。。。とかそういうのどうなの。え、どうなの??
彼は鈍感で奥手な順子や雅志とは違い、ガンガン物語をかき混ぜてくれるとてもいいコンテンツだったはずなんだけど。もっと、もっとこういい使い方があったのではないかなと思うわけです。
最終回まで3人で引っ張って、そこでユリユリが「大人には負けない何か」を光らせて順子をかっさらっていく様子を描ききれないと、とってもとってももったいないよ。
●多分10話でまとめるのに無理がある
そう、そもそもはこれだ!
ユリユリが順子に恋するとこまでを語る5話までは、とてもとてもとてもとても良かった。
そこから、何を焦点にまとめ上げるかにブレが出てきたわけですよね。正直6話の同窓会とかいらなかったなあ。もっとサクッと終わらせて、7話のももちゃん先生を6話に持ってきても良かったのにな。
で、後半は順子が「いい大人の男たち2人(山下とまさし)」からストレートな告白を受け、ちょっとは揺らぎ、どっちかを好きになりたいと悶えるわけで。でも、だめだ、だめだ、絶対にユリユリだけはダメ、と思いながらもどうしてもなんでかユリユリだけが好きという感じをずるずる描いて行くべきところ、ユリユリの受験する意味だとか、人生がどうとか、なんか「ちゃんと物語にしなきゃ」という大人たち(作る人たち)の価値観をブッこんできたためなのか、ブレた。
しかも、原作終わってないけど10話で終わらせないといけない(センターと本試験まで描きながらケリもつけないといけない)とあって、どう畳んで行くかを考えたときに何かを見落とした。
ドラマを作る人たちの価値観から物語を展開させて行く時に、少女漫画脳のキュンポイントを全部落っことしてきたよね。
今まですごかったのに。なんで!!!
●順子とユリユリをブレさせたのでモヤモヤ。
そう、結局山下がかっこよく描かれなくては(彼の引き際をどーんと!)みたいな感じになってしまって、順子のキャラがブレたのが痛い。
今まで、何があっても筋を通してきた彼女は、それだからこそ逆ハーレムを成り立たせてきたのに。
殉死みたいに人生曲げる山下を、原作の順子は「そんなことさせない」と思うと思うんだよ。あんな風に離脱する姿を「ありがとう」の一言で見送るわけないじゃん。
高校の時、教師に楯突いて山下に勉強を教えたかっこいい順子が、そんなの受容するわけないじゃん。
どうしてこうなった!
ユリユリも、何があってもブレなかったし、順子第一で頑張ってきたのに。人生が怖くなった、リアルになった、受験を目の前にして。そういう葛藤がもちろんあってもいいけど、今回全然自分で乗り越えられていなくてしんみりする。
●救いは雅志
私は、原作でどっかーんと描かれた「雅志が男を見せるターン」がいつくるのか、それはそれは楽しみにして待っておるのです。
でも、今まで「そろそろいいんじゃない」と思いつつ全然出てこなくて、ん?このままいとこで終わる???と危惧していたのです。
でも来週なんかありそうですが、でも、この瀬戸際の男見せるターンって、最後のラスボスみたいな当て馬感満載じゃん。
くそー、ドラマこってり見てるわけじゃないけど、色々見てきた妙齢女子たちを甘く見てはいけないよ。
山下が頑張ってる時に、雅志も一緒に頑張るからいいんだよ。
そもそも、山下と順子のイチャイチャ回はとっても多いし、ユリユリも頑張ってたけど、雅志少ないじゃん。
と、文句タラタラですが、8話はまさしが素晴らしかった。
「自分の頑張りが好きな人のためになる、そんな幸せなプレッシャーいいじゃん」
みたいなことを、落ち込んでるユリユリに言って、そして彼をどん底から救うのですが、すっっごい。男。大人。
ノコノコとユリユリに家に行き、彼を落ち込ませるだけだった順子と山下とは違う。
雅志の立ち回りは、ちょっと笑っちゃうようなとこもあるけど、とてもとても大事で、順子を本当に大切に思っていて、そしてブレない。あ、そうか。雅志だけブレてないんだな。そこがいいんだ。
●それでも見ちゃう。来週も
そう、でも5話までの神がかった展開に心打たれすぎて(あ、7話も好きだったな)、もう「見ない」という選択肢はありません。
それだけでも、素晴らしいことです。ドラマを途中で離脱することは、これまでの人生でも多かったと思う。見続けるって大変。
あと、原作通りに作るって難しいのですね。連載は途中だし、ドラマはドラマで決着をつけないといけないし。
最初にも書いたのですが、ツイッターなどの感想は「感動した」「泣いた」などが多くて、そうなんだ。。。私にはわからんな。。。。と思うことしばしなのですが、こういうのが世間で「受けるドラマ」なの???謎すぎる。
起承転結がはっきりしてるし、悪っぽいものもあるし、それを登場人物のキャラが覆して解決するみたいな。
でも、それは他の弁護士ドラマとか、学園ドラマとかでやってくれたらいいんですよ。
これはラブコメディですよね(えーん)。
でも、来週も見るよ!!!
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