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キラキラは大事なのかもしれない

【キラキラは必要かもしれない】


久しぶりにちゃんとフィギュアスケートを見たのですが(グランプリファイナル)、若干私の胸内で価値観の変化が見られました。


もともと私は和製絶対王者が好きではありませんでした。
それは個人的な偏見が多分にあるので、だれかに共感を求められるようなものではありません。


私の長年の好みが小塚崇彦選手とか、今ならなんとなく山本草太くんを応援したいとか、結構「ノーブル&地味系」なスケート選手寄りなのです。衣装が地味すぎて「ユニクロミオ」と愛情込めて揶揄された頃の小塚くんはまだ見てなかったけれど。


でもノーブル&地味系の選手はスターシステムに乗っかりにくく、それをプレッシャーに感じて破綻して行ったり、無理して怪我したり、色々大変そう(漏れ出でる情報をちょっと拾ったレベルの感想です)。


でも和製絶対王者はスターシステムをうまく使いこなし、プレッシャーさえ糧に変えて「ここぞというとき」は失敗しなかった(その陰で、どう見ても今のは救済かな? コンビネーションジャンプすっぽかしてもこの点数? と感じる時は多々ありました。それは推し選手になればある程度あるものだと了解してきた)。



【ジャンプ寄りの点数稼ぎプログラムあんまり面白くない】


で。


今は4回転祭り。男子も女子も(すいませんペアとかダンスを見てなくて)。
正直、男子上位の人々の、風の抵抗を最小限に抑えるのが目的かのような上下黒シンプル衣装、似たような選曲、上品さよりはかっこよさを求める演技がなんとなくグッと来ない。フィギュアスケートのアート性、スポーツ性の「スポーツ」の部分がクローズアップされすぎて。


その中で、一人スパンコールをちりばめた、ギラッギラかつフリフリの衣装を着続ける絶対王者(そろそろこの呼称はネイサンに進呈しないといけない)。
演技自体はジャンプに寄りすぎて、ジャンプ、ちょっとステップ踏んで助走してジャンプ、の繰り返しに感じるのだけど、この「意地でもギラギラ」は割とアリな気がしてきた。


あと今になってちょっとイケメンに見えてきた。


そしてプーさんの黄色い嵐の後に登場したネイサン・チェン選手が、プーつながりなのか黄色い卵焼きみたいな衣装をまとっていて、ものすごくびっくりした。


光GENJIのだれかのようなヘアスタイルで(80年代アイドル風)、卵焼きカラーの練習着スタイルを身につけながら、超高難度のジャンプを加点モリモリレベルで飛び、それが終わった後にまだ余力があるのがノリノリのステップを踏む。


ネイサンは名門イェール大学の学生であり、医学部進学を目指しているらしく(Twitterなどで散見するネイサンべた褒めコメントを読むと、アメリカの大学ではスポーツ一芸厚遇的なことは一切なく、そもそもイェール大学はアメリカ東海岸にあるアイビーリーグ、名門私立8大学の一つ。統計学などを学び、医学部進学に向けて準備をしているらしい)。グランプリファイナルの合間にも勉強をしていた模様。
スケート漬けの日々を送るわけではなく、時間をうまく割り振って、その中で最大の効果を生む。とりあえず規格外の人生を歩んでいることは間違いない。20歳なのに。

【褒めているのか謎だけど】


そんな合理主義の権化みたいなネイサンが天下を取る中、キラキラフリフリ衣装で通すのはアリだなと。


それだけの意見だった。


浅い。
ただ、褒めているかどうかわからないけれど、日本から大勢の妙齢女子ファンをファイナル開催地のイタリアまで呼び寄せ、あの「総額いくらか計算してほしい」量のプーさんぬいぐるみをリンクに投げさせる経済効果は計り知れない。でもぬいぐるみ投げ込みはそろそろ禁止してほしい。氷に悪い。
もうちょっと、盛り上げ要素を持ったキャラクターが出て来てくれないかな、と思う今日この頃。


女子はロシアの若い子が毎年出てきて、「一人のスケーターの人生をかけた戦いを見守る」という視聴をしにくい。


例えばイタリアのコストナーがオリンピックで幾度も転び、20代後半、3度目の五輪のソチで銅メダルを獲得したときのこみ上げる喜び。完璧なボレロの演技に「コストナーがノーミス!」であることの価値を見出せる感慨。


そういうことがやりにくい。


そういうの楽しみたい。

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ライター和田知子:CLANG CLANG クランクラン
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