延縄漁師とその家族から学ぶ、「考えて」生きる。|生きる行脚#3@山形
偶然
「これから2週間、一緒に船に乗せてください。お願いします。」
玄関で奥さんの末子さんを見るなり発した第一声がこれだった。自己紹介もせずに唐突にこんなことを言ってしまった。あの時はほんとに必死だった。
末子さんはあんぐりと口を開け、ぽかんとした表情で首をかしげるとその場で一瞬、固まってしまった。
本来であれば1ヵ月や2週間前から連絡を取って行く先を決めるのだけれど、今回は自分の至らない点もあり、秋田に来て2週間が経っても行く先が決まらないでいた。なす術もなく「どう