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手間のかけ方を変える

 ここ10年ほど、国語科を中心に独自に授業開発に取り組んできました。取り組もうと思ったきっかけは、死んだ魚の目をした子供たちの姿が堪え難かったからです。

 10年続けると、手応えのある実践もちらほら出てきます。もちろん、失敗も多かったですし、反省すべきところもあったのですが、その経験が糧となって、新しい授業実践が生まれてきたように思います。

 しかし、経験を重ねるうちに、シンプルがいかに大切なのかを感じるようになりました。いわゆる、効率性です。いつも独自性を出しているのもいいのですが、それはある程度時間がある前提で話が進みます。比較的時間があった若い頃は、それほど大きな分掌事務もなく、授業開発に時間を割けていたわけです。でも、同じような手間のかけ方がずっとできるわけがありません。

 そこで、やはり効率性という考え方が大切になってくるのです。いかにコストパフォーマンスを上げるのかという話です。

 短い時間で同じ成果を出す。
 同じ時間で倍の成果を出す。
 成果が上がらないものはカットする。
 カットしたものを寄せ集めて時間を生み出す。

 このサイクルを回していった結果、国語科の単元がコンパクトに密度が濃いものになっていきました。短い時間でぎゅっと考える感覚です。

 今はこれでいいと思っていますが、それじゃあいかんよという自分もいます。独自性と効率性。これからこの狭間で揺れ続けていくのでしょうね。

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