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価格の話になると急に態度が変わり、成約に至らない。〜法律事務所の顧問契約獲得数を2.1倍にした話

こんにちは。【ザ・プロフェッショナル】® 主宰の海東です。

「御社の提案内容はとても良いのですが、予算の関係で...」
「他社さんからもっと安い見積もりをいただいていまして...」
「持ち帰って検討させてください」⇒ そのまま連絡が途絶える

商談や提案の最終局面でこのような言葉を聞いた経験はありませんか?これらの発言の裏には「単なる値引き要求」「予算がない」以外の重要なメッセージが隠されていることが少なくありません。

多くの場合、この状況は「費用が高い」のではなく「価値が正しく伝わっていない」ことが本質的な課題となっています。

■ある弁護士事務所の事例

パートナー3名、所属弁護士6名、スタッフ5名の法律事務所の代表Sさんは、質の高いリーガルサービスを提供していますが、若手が新規の顧問契約獲得で苦戦を強いられていることを聞き、アドバイスをしようと考えていました。

「専門性には自信があるのに、顧問料の話になると急にトーンダウンしてしまう。結局、より安価な事務所に流れてしまうケースが続いています」とSさんは語ります。

彼らの商談記録を分析したところ、ある重要な事実が浮かび上がりました:

「成約に至らなかったケースの92%で、顧問契約による具体的な経営リスク低減効果が数値で示されていませんでした」

■価値提案の転換点

この発見を基に、Sさんは商談プロセスを大きく見直しました。

【具体的な改善ポイント】

□Before:法務サービスと顧問料の説明が中心(“スペック/仕様”の説明に終始)

  • 対応可能な法務分野の説明

  • 月間の対応可能時間の提示

  • 顧問料の値引き交渉で対応

□After:経営リスク対策としての価値提案(“ベネフィット/得られる未来”のプレゼンテーション)

  • 法的トラブル発生時の損失コストを可視化

  • 予防法務による訴訟リスク低減効果を試算

  • 経営判断の品質向上による事業成長への貢献を提示

■数字で見る改善効果

この取り組みにより、Sさんの事務所(特に若手)は下記のような結果成果を実現しました:

  1. 顧問契約率:前年比2.1倍

  2. 値引き要求率:68%減少

  3. 顧問料の平均単価:15%向上

特に大きな効果が見られたのは、下記の「3つの価値の見える化」を実践したケースでした:

□1. リスク対策効果の定量化

  • 法的トラブル発生時の想定損失額を試算

  • 予防法務による回避可能コストを提示

□2. 中長期的な経営効果の提示

  • 3年間の段階的なリスク低減効果を図示

  • 法務体制強化による事業拡大シナリオの明確化

□3. 間接的な価値効果の明確化

  • 取引先からの信用力向上

  • 従業員の法務リテラシー向上による組織力強化

■すぐに実践できるアクション

  1. 提案書の再構築
    単なる法務サービスの説明ではなく、経営課題解決にフォーカスした構成に変更する

  2. リスク算定シートの作成
    想定される法的リスクの経済的インパクトを簡単に算出できるツールを準備する

  3. 成功事例のストーリー化
    似たような課題を抱えていた企業の成功体験を、具体的な数値とともに整理する

「価格が高い」という言葉が出たとき、それは実は「価値が十分に伝わっていない」というサインかもしれません。この機会を、より深い自社の価値提案のきっかけとして活用していただけたら嬉しいです!

わくわくを通じて、ありがとうの輪を広げる。そのためのビジネスのサポートができたら嬉しいな、と思っています。

今の現状にもし不満な要素が少しでもあるとすれば、それはあなたのせいではありません。多くの経営者は頑張っているし、本来はもっと素晴らしい結果成果を出して当然の方(かた)です。
そうなっているのは、世の中の間違った情報によって、頑張りの方向がほんの少しズレてしまっているからです。

おかげさまで多くの業種の経営者の方と接点をいただいているため、事例がたくさんあります。ご相談事項があれば、メッセージください。一緒に今ある強みの磨き方を考えましょう。

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