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なぜ、“つまらないもの”を人は嫌うのか?
旅の荷物は少ない方がいい。
元・国土交通省河川局長で作家の竹村公太郎さんの言葉を借りれば、
日本人は詰まらないものを好まない。
あの強かったモンゴル(元寇)が、なぜ日本に負けたのかと言えば、
日本人が馬などの家畜を「家族」として扱ったからだという。
家族なので、去勢しない。
なので、江戸時代などの歴史的情景に出てくる馬は、
その多くが暴れ馬として描かれている。
一方、国外に目を向ければ、家畜は家畜。家族ではない。
コントロールしやすいように、馬などには去勢を施していた。
したがって、あちらの馬はしゅんとしている。
しゅんとしているので、コントロールしやすい。
元寇の戦闘時の絵を見ると、馬が横に12頭、
縦に2列になって重い重機を引いている。
つまりは24馬力。それらが通れる道が整備された。
一方、日本は馬1頭をコントロールするので精一杯なので、道は細い。
元寇が24馬力の重機を下ろそうにも、日本の国土には下ろせない。
身ひとつで山に入っていけば、
日本の侍は山林の中を飛び回って攻撃をしかけてくる。
夜になればなったで、モンゴルにはいないヤブ蚊が襲いかかってくる。
これを嫌がる元寇の人々は、
船に戻って寝ていたところ、嵐にやられてしまったという説。
つまり、日本には大きな道がなかった。
人を運ぶ手段としては、1馬力しかなかった。
なので、荷物を少なくした。
立体造形の凝った「チェス」が
平べったい「将棋」に生まれ変わったのも
そういう経緯(いきさつ)。
荷物を小さくして、持ち運びを容易にするのが日本人の得意技。
工夫を重ねて小さくして、収納できて、
持ち運びが容易なものを日本人は好み、
荷物に詰まらない工夫のないものを
「詰まらないもの」として日本人は嫌った。
旅の荷物が少なければ、
いざというときに便利な思いはできないけれど、
その分、思い出と新しい経験を詰め込める。
_01 ■ プロローグ「詰まらないもの。」