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社内ユーザーに焦点を当てる理由

PREVENTデザイナーの田坂です。

PREVENTのデザイナーチームは開発部に所属しており、私はUI/UXデザイナーとして業務を支える2つの社内基幹システムをデザインしています。

toC(一般消費者向け)のサービスでは『ユーザー体験をしっかり考えよう』とする一方で、その先に私たちのサービスを受けるユーザーがいる以上、そこをないがしろにしてはいけません。
そのため、私は「働く人の満足度が上がれば、その先にいるユーザーの満足度も自然と上がる」と信じ、社内ユーザーに真摯に向き合うようにしています。

その信念を持つ私が、日々向き合っている社内ユーザーと社内基幹システムを支えるデザインにはどんな工夫が必要なのか、掘り下げていきます。


株式会社PREVENTのサービスについて

まず、弊社のサービスについて簡単に説明します。
株式会社PREVENTは「生活習慣病重症化予防」を目的に、看護師・管理栄養士・理学療法士などで構成される医療サービス部の面談担当者が、プログラム対象のユーザー(以下、対象ユーザーに略)と伴走しながら生活習慣改善をサポートするサービスを展開しています。

クライアントは主に健康保険組合様で、連携しながら、プログラム対象のユーザーが安心して生活習慣改善に取り組めるよう、企業全体でサービスを支えています。

アプリを介して生活習慣病重症化予防を実施しています

サービスを支える「社内ユーザー」

このサービスを支えているのは、社内全体のスタッフですが、私が関わる社内基幹システムを利用するのは主に「医療サービス部」と「営業部」です。それぞれ異なる社内基幹システムを利用していますが、データの連携があるため、両者はどこかでつながってもいます。

「医療サービス部」と「営業部」それぞれの社内ユーザーの仕事内容についてご紹介します。

医療サービス部

医療サービス部のスタッフは、看護師・理学療法士・管理栄養士などの専門資格を持つ面談担当者で構成されています。プログラム対象ユーザーに2週間に1度お電話して、生活習慣改善のサポートを行います。
面談時間は15~30分で、社内基幹システムを利用し、対象ユーザーに記録いただいた数値を見ながらコミュニケーションを取ります。
この業務では正確な情報入力や管理が欠かせません。だからこそ、システムの使いやすさが業務の質に直結します。
緻密な数値の確認や日々のユーザーとのコミュニケーションを記録する社内基幹システムだからこそ、サービスを提供する面談担当者にとって「本当に使いやすいシステムとは何か?」という課題は常に付きまといます。

営業部

営業部は、クライアントである健康保険組合様に向き合い、事業の提案やサポートを行います。上記に書いた、医療サービス部の社内基幹システムとは別の基幹システムを利用しています。
営業部のスタッフの利用する社内基幹システムは、健康保険組合様などと連携を行うためのシステムです。必要なデータがスムーズに取得できるシステムがあれば、業務の効率化だけでなく、提案の質も向上すると考えています。

社内だからできるデザインの工夫

社内ユーザーと向き合うからこそ、私が意識していることが2つあります。

現場にできるだけ近い距離で働くこと

1つ目に意識していることは、「現場にできるだけ近い距離感で働くこと」です。
私はできるだけ出社するようにしています。その理由はシンプルで、「すぐに声をかけられる状況」をつくりたいからです。
業務の合間に「ここ、少し使いにくいんだけど…」と気軽にフィードバックをもらえたり、社内の雑談からヒントを得ることが多々あります。また、働く姿を直接観察することで言葉にならない課題にも気づけることがあります。
「なぜそこで手が止まるんだろう?」
「その操作、本当に必要なのかな?」
「とても複雑な作業だけど、淡々とこなしているな」など
こうした違和感に気づけるのも、社内だからこそ観察できることは多いと感じています。もちろんフルリモートで働いているスタッフもいて、全部が全部観察ができるわけではありませんが、オフィスでの状況と、フルリモートの状況と比較はできるので、とてもよい環境だと考えています。

また、社内基幹システムをデザインしていると、真面目で熱心なスタッフほど、複雑な操作や不便な仕様にも「慣れる」ことで対応してしまう場面を目にします。
特に長く使い続けたシステムにおいては、「これが当たり前」という意識が根付いてしまい、違和感に気づくことが難しくなります。
しかし、その「慣れ」は、システムの本来あるべき姿を見えづらくしているかもしれません。デザイナーとしては現場の声を大切にしながらも、俯瞰して「なぜそれが必要なのか」という違和感を見逃さない姿勢が重要だと考えています。

ヒアリングの内容をそのまま反映しない

2つ目に意識していることは、「ヒアリングの内容をそのまま反映しないこと」です。ヒアリングは現場の生の声を直接聞く貴重な機会であり、具体的な課題や要望を得るうえで非常に重要です。しかし、そこで得られる情報が全体を正確に反映しているとは限りません。時に、それが発信者個人の視点に偏ったものである場合もあります。

例えば、あるスタッフから「操作中にこの機能がもっと目立つ位置に欲しい」といった要望を聞いたとします。
この依頼自体は具体的で実現可能な提案のように思えますが、その背景を掘り下げると、「作業全体の流れが煩雑で、そもそもその機能を頻繁に使わざるを得ない」という根本的な問題が潜んでいることも少なくありません。
表面的な要望だけをそのまま反映してしまうと、真の課題を見逃し、結果的に別の問題が生じることもあります。

一次情報が与えるインパクトは大きく、ついそれだけで問題を把握した気になってしまうことがあります。しかし、そうした情報を深掘りし、複数の視点を持つことで初めて本質的な課題にたどり着けると考えています。
そのため、いただいた声には常に「なぜこの課題が発生しているのか?」の根本的課題について問い続ける姿勢を持ち、働く人たちが直面している本当の問題に向き合うことを心がけるようにしています。

デザインの先にあるもの

社内基幹システムのデザインは、「働く人たちのため」に行うものです。しかし、その先には、私たちのサービスを受ける対象ユーザーやクライアントがいます。「働いている人が満足して働ける環境をつくること」「その先にいる人たちにも、より良い体験を届けること」この2つをつなぐデザインを、これからも続けていきたいと思います。

今後は、これまで以上に複雑な業務フローの整備や改善にも注力し、より効率的でスムーズな作業環境を提供できるよう努めていきたいと考えています。
現場の声をしっかりと反映させながら、業務の流れや手順がスムーズに進むような仕組みを整え、ユーザーが無理なく快適に仕事を進められる環境づくりを進めたいと思います。

そのためにも、デザイナーとして現場のニーズを深く理解し、課題解決に向けて取り組んでいきたいと考えています。

さいごに

アドベントカレンダーを実施しています!
これからPREVENTの開発チームによる情報発信を盛りあげて行くため、今年はPREVENT初となるアドベントカレンダーの実施です。

私はデザイナーですが、モバイル開発だけでなくWebやデータサイエンスチームの投稿もありますので是非ごらんください。

それでは、一病息災を支えるPREVENTをよろしくおねがいします!


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