21日目:プロバイオティクスとしてのアッカーマンシア
Title
Akkermansia muciniphila inhibited the periodontitis caused by Fusobacterium nucleatum
Author
Motivation
どんな課題や問題点を解決しようとしたのか?
既存の研究で足りないところはどこだったのか?
歯周病の治療としてはスケーリング・ルートプレーニングもしくは抗生物質による治療が行われていたが、これの治療法には細菌叢のバランスを崩すなどの制限があった。(これは抗生物質だけでは?)
近年腸管におけるプロバイオティクスとして注目が集まっているAkkは、ヒトの唾液中からも検出されることがわかっており、本研究ではAkkのプロバイオティクスとしての可用性を調べることにする。
Method
どんな実験をしたか?なぜその実験設計でよいと仮定したか?
FnとAkkをin vitroにて共培養、cellへの感染(RNAseq)、マウスへの感染(サイトカイン、骨吸収、DNAseq)
Insight
どんな結果が得られたのか?どんな条件だと上手くいって,どんな場合は上手くいかなかったのか?
新しくわかった知見はなにか?他のアプリケーションやシステムでも使えそうな知見は何か?
Akkとの共培養によりFnの増殖および毒性因子関連遺伝子、特にfadAの発現をダウンレギュレートした。マウスの感染実験でも2種感染時にサイトカインが減った。これはFadAの減少により、TLRs/MyD88シグナルのダウンレギュレート、さらに続くNF-KBパスウェイのダウンレギュレートによりサイトカインの現象が生じたものと思われる。実際、マウスの骨吸収量や炎症は減っていた。
他の歯周病菌も減っていたのは、Fnが他菌種の架け橋となっているからかもしれない。でも、もしかしたらやっぱりAkkが直接および間接的にそれらの菌に作用している可能性もあるのでさらに研究しなきゃいけません。
Fnは全身疾患にも関連しているから、AkkがFnを抑制するのは大腸がんとかにもすごい重要かもしれません。
Contribution summary
「[Author]は[Motivation]という課題のため,[Method]を行い,[Insight]がわかった.」”[Author] did [Method] to solve [Motivation] and found [Insight].
Bingqing SongはAkkを口腔および大腸におけるプロバイオティクス材料としての可用性を探ると言う課題のため、FnとAkkをin vitroにて共培養、cellへの感染、マウスへの感染という一連の実験を行い、Akkの存在によりFnの病原性が減少するということがわかった。
気になったこと:
Akkはヒトの腸管の微生物で唾液からも検出されるらしい。
Fnの生えが悪くなるんだったら、gene expressionも相応に低調になるのは当たり前では?逆にアップレギュレートされたgeneはあるのか?
マウスを用いた実験はしないので、全然知らなかったけど、BALB/cマウスはC57BL/6マウスと並びよく使われるマウスの系統らしい。特に免疫系の実験にはBALB/cマウスが適しているそうです。
https://www.cyagen.jp/community/newsletters/issue-20200413.html
マウスに歯周病菌を感染させて意味があるのか?(マウスはう蝕になりやすく、歯周病になりにくい。)またbonelossはどう計測しているのか?→マイクロCTを撮っていた。
bone volume fraction: 骨量体積率=骨量/組織容量
この論文ではなぜFnとAkkの2菌種にしたのかがいまいちわからない。(それぞれ単独で悪い・いいであろうということはわかった。)
Fap2:fatty acid-binding protein 2
DNAシークエンスのヒートマップでTreponemaが言うほど減少しているように見えない。