17日目:FnはH2Sをめちゃ出す

年末にかけて忙しくなってきた。
メタボロする?



Title


Genetic Determinants of Hydrogen Sulfide Biosynthesis in Fusobacterium nucleatum Are Required for Bacterial Fitness, Antibiotic Sensitivity, and Virulence

Author


Yi-Wei Chen, Martha I. Camacho, Yimin Chen, Aadil H. Bhat, Chungyu Chang, Emily A. Peluso, Chenggang Wu, Asis Das, Hung Ton-That


Motivation


どんな課題や問題点を解決しようとしたのか?

硫化水素は情報伝達物質として利用され、特に好気性菌では硫化水素産生遺伝子のノックアウトにより抗生物質への感受性が上昇することがわかっている。
Fnは硫化水素を出す主要な口腔内細菌であり、それに関連するシステインを代謝し、硫化水素を出すための遺伝子としてCysK1, CysK2, Hly,  MegLの4遺伝子を持っている。

既存の研究で足りないところはどこだったのか?

in vitroではearly log phaseのFnにおいてCysK1が主な硫化水素産生酵素であると言う報告はあるが、in vivoではわからない。さらにそれぞれの遺伝子がFnの生理機能や毒性にどのように関与しているか決定されるべき状態が続いている。

fig1

Method


どんな実験をしたか?なぜその実験設計でよいと仮定したか?

(肝はどこだ?)

遺伝子改変が困難とされてきたFnにおいて欠損株を作成し、実際に硫化水素の発生に関与している遺伝子を突き止め、in vivoで毒性の変化を確かめた。

Insight


どんな結果が得られたのか?どんな条件だと上手くいって,どんな場合は上手くいかなかったのか?

MegLはFnの増殖とともに発現を増加させ、欠損株ではH2Sの産生量が大幅に減少し、cysk1よりもよく発現する。以上の3点よりmegLはFnのH2S産生のメインとなる遺伝子であると考えられる。
一方Cysk1は欠損株において、ラチオニンに依存した生存しか見せない。つまり、Cysk1は細胞の生存可能性および細胞形態に関与しているものと思われる。

新しくわかった知見はなにか?他のアプリケーションやシステムでも使えそうな知見は何か?

MegLがin vivoにおいてH2S産生の主力となっている。
一方でCysK1は以前言われてみたいにではなく、ラチオニン(fusoのペプチドグリカンに関わる)に関与することから、細胞の生存可能性や形態に寄与していると考えられる。
MegLの欠損によりH2Sの産生が減少し、nalidixic acidに敏感になり、カナマイシンへの耐性能が上昇した。H2Sの減少により抗生物質が出すラジカルに対応できなくなったか?MegL欠損株はまたin vivoで様々な組織に感染させてもあまり生存しなかった。


Contribution summary


「[Author]は[Motivation]という課題のため,[Method]を行い,[Insight]がわかった.」”[Author] did [Method] to solve [Motivation] and found [Insight].


Yi-Wei ChenCysK1, CysK2, Hly,  MegLの4遺伝子のFnの生理機能や毒性への影響を評価すると言う課題のため、Fnのmutantを用いてH2S産生量・抗生物質の感受性、マウスへの毒性を研究し、MegLがFnのH2S産生に最も寄与し、毒性の一因になっていることがわかった。


追記:
to be determined :将来決定されることを表す。"to be decided"や"to be announced" などはTBDやTBAと略される定番表現

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