13日目:揮発性脂肪酸は細菌培養において、ルーメン液の代替となるか?

この論文はかなり興味深いと思われる。



Title


Medium Without Rumen Fluid for Nonselective Enumeration and Isolation of Rumen Bacteria


Author


DANIEL R. CALDWELL AND MARVIN P. BRYANT'


Motivation


どんな課題や問題点を解決しようとしたのか?

ルーメン液の微生物の培養は二種類の培地で行われる。ルーメン入り培地及びルーメン抜き培地である。通常ルーメン入りの方が生えがいいが、より一般的なingreadientで代替できるようになってきた。そしてこの方法は、(ルーメン液は同じ家畜であっても採取日時が異なれば違うものになっているため)より便利であると思われる。

既存の研究で足りないところはどこだったのか?

イングランドではルーメン液が揮発性脂肪酸・ヘミン・低濃度の低濃度のトリプチケースとイーストエクストラクトで代替できたという報告があるが、イングランドとアメリカではエサが違うので(つまりルーメンに住む細菌も違う?)、アメリカの状況下での培地を明らかにする。

Method


どんな実験をしたか?なぜその実験設計でよいと仮定したか?

今回実験で使用したFAsの中には細菌が必要としているか不明なものもあったが(Propionate、n-butyrate)、通常rumen fluidを構成しているため使用した。
TrypticaseとYeast extractにはビタミンBが含まれている。多くのルーメン細菌は一つ以上のビタミンBを必要とする。N源が高濃度すぎるとルーメン細菌の増殖を妨げることがある。
B. ruminicolaは代表的なルーメン細菌であるが、これのほとんどの株はヘミンもしくはテトラピロールを必要とするためヘミンの添加は必須であった。

Insight


どんな結果が得られたのか?どんな条件だと上手くいって,どんな場合は上手くいかなかったのか?

ルーメンには餌の違いや動物の違いでさまざまな細菌の多様性が見られたが、ルーメン液とmedium10(FAs+hemine+low trypticase/yeast extract)で検出される菌に大きな違いはなかった。
しかし、いくつかの菌種に必要な未知のファクターはmedium10には含まれていない。またveillonellaなどが必要とするエネルギー供給源(グリセロール、乳酸、水素ガス、蟻酸)も含まれていない。

新しくわかった知見はなにか?他のアプリケーションやシステムでも使えそうな知見は何か?

rumen fluidにアクセスできない研究者でも用意しやすいことからmedium10は有用である。

*家畜の餌の成分によるルーメン細菌の違い等は興味ないので省略。

Contribution summary


「[Author]は[Motivation]という課題のため,[Method]を行い,[Insight]がわかった.」”[Author] did [Method] to solve [Motivation] and found [Insight].


DANIEL R. CALDWELLはイングランドでルーメン液の代わりにFAsを代替してルーメン細菌を培養できることをアメリカの家畜において検証するという課題のため、ルーメン入り培地とmedium10で培養及び、コロニーカウント・顕微鏡での観察を行い、家畜の餌が異なっていてもおおむねルーメン液をFAsで代替できることがわかった。

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