3spoons vol.8 『福助』the 2nd spoon_UNI
文芸ユニットるるるるんによるツイッター400字小説 3spoons
夏、べたべたここ、刺された。そう言ってタタはショートパンツをまくり、白い太ももの内側を福助に見せつけた。蚊、と喉から声をしぼり出した福助は太ももから目をそらし、床に寝そべったまま冷蔵庫の扉に腕を伸ばす。扉にはタタがまぶたの縁から外したつけまつげが貼り付けられて、南国の虫のようだ。カットすいかの乗った皿を見つけた福助はのそりと起き上がって皿を庫内から出し、床に置く。髷をほどき背中を丸めてスイカにかぶりつく福助